石川県と富山県の新たな「県境バイパス」として、国道415号の羽咋市と氷見市をつなぐ工区について、概略ルート決定のプロセスが本格化しました。
■近くて遠い「能登半島の西側と東側」つなぐ
石川県と富山県の新たな「県境バイパス」として、国道415号の羽咋市と氷見市をつなぐ工区が、概略ルート決定に向け、2024年8月6日に地域ヒアリングのプロセスへ入りました。
国道415号は羽咋市と氷見市の両中心部をつなぎます。急峻な山岳地帯で西側と東側が分断されている能登半島において、貴重な峠越えルートのひとつです。能登半島を周遊する際にも需要なルートとなります。
災害時の緊急輸送道路でもあり、半島中西部にある志賀原発に関する避難道路にも指定されています。しかし急勾配に急カーブで狭隘な道路が続き、地すべりで寸断されるリスクを抱えた状態です。
そのため、徐々にバイパス整備が進められてきました。2023年10月には、のと里山海道の千里浜ICに接続して山側へ7.4km伸びる「羽咋バイパス」が開通。反対側の氷見市でも、能越自動車道の氷見IC付近から4.2km山側へ伸びる「谷屋大野バイパス」が事業化し、現場で工事が始まっています。
今回検討されているのは、それらをつなぐ最後の工区で、県境をまたぐ約5.2kmの区間です。
事業化に向けたプロセスとして、まずは概略ルートを決定する段階となっています。概略ルートが決まれば、それを元に都市計画決定と環境アセスメントの手続きが進められ、完了すればいよいよ事業化を待つこととなります。
概略ルートは「大部分で現道改良」「最短距離かつ集落をつなぐ新ルート」「南へ迂回して地すべり地帯を回避するルート」の3案に絞られています。
今回、概略ルート決定にあたって地域アンケートやヒアリングが実施されます。その結果をもとに2回目の有識者委員会が開かれ、3案からいよいよ最終決定されることとなります。
地域ヒアリングは今月下旬まで行われます。