スズキは次期「アルト」の開発について技術戦略説明会で言及しました。現行モデルからさらに100kgの軽量化を目指すと宣言したのですが、一体どのようなモデルになるのでしょうか。
■現行モデルも軽いのに、さらなる「軽量化」目指す!
「アルト」といえば、スズキが1979年から販売している歴史の長いモデルです。
現行となる9代目は2021年に登場したばかりで、まだ新しいモデルですが、2024年7月に行われた技術戦略説明会にて、“次期アルト”に関する発言がありました。
10代目アルトは、どのような進化を果たして登場するのでしょうか。
2024年7月17日、スズキの技術戦略説明会が行われ、この説明会では、今後のスズキ車に採用を目指す各種技術や、今後の製品コンセプトなどが紹介されました。
その流れの中で、触れられたのが次期アルトの話題です。
具体的な投入時期などは名言されませんでしたが、10代目となる次期アルトで100kgの軽量化し、500kg台を目指すと宣言したのです。
2021年に登場した現行モデルとなる9代目アルトの車重は680kg。当初は次期アルトで600kg以下を目指す目標を考えていたそうですが、「マイナス100kgくらいの気持ちでなければ600kgを切れない」という考えもあったとのこと。
過去には、2014年末に登場した先々代モデルとなる8代目アルトで、スズキは当時新開発のプラットホームとなる「HEARTECT(ハーテクト)」を採用したことで、7代目アルトに比べて120kgもの軽量化を実現していました。
HEARTECT(ハーテクト)は軽さと高剛性の両立を狙ったプラットホームで、現在のスズキのスタンダードとなっているものです。
大幅な軽量化を果たした8代目アルトで新開発プラットホームが投入されたことを考えると、100kg軽量化を目指す次期アルトで、後のスズキのスタンダードへと繋がっていくような次世代プラットホームが採用される可能性もありそうです。
そして、当日の説明会では48Vのマイルドハイブリッドシステムや、小さなバッテリーEV(BEV)に最適な電池パックなどのBEVシステムを開発していることも話題として挙げられました。
次期アルトに関して、現時点ではどのようなパワーユニットが採用されるかなど、分からない部分もまだまだ多いのですが、パワーユニットの部分でも、次世代のスズキを象徴するような新開発のパワーユニットを搭載してくるでしょう。
スズキは軽量化に関してパワーユニット部門やシャシ部門を超えての責任者を用意し、クルマ造り全体で軽量化を目指せるような開発メンバー構成にしているようです。
このような面を考えても次期アルトでは軽量化にこだわった画期的なプラットホームやパワーユニットを採用することが期待されます。
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次期アルトの登場はまだ先になると思われますが、スズキの次の10年の幕開けとなるような新技術が多く投入されるものと思われます。
しかし、その技術が目指すところはスズキの行動理念である「小・少・軽・短・美」であることは間違いありません。
より軽く、より小さいエネルギーで環境にも経済的にもエコに、そんなクルマを目指した新技術が投入されるはず。
次期アルトはその存在自体も期待ですが、「どんな新技術を採用してくるか?」と、その中身も注目すべきといえるでしょう。