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秦野~座間の“地獄渋滞”国道246号が「完全スルー」!? 夢のバイパス「厚木秦野道路」の最終形がすごい 工事はどこまで進んだ?

くるまのニュース 2024年8月9日 7時40分

神奈川県西部で、新たな東西軸となる高規格道路「厚木秦野道路」が事業中です。構想区間を合わせると、この地域の自動車移動に、大きな変化をもたらすことになりそうです。一体どのような道路なのでしょうか。

■大渋滞の国道246号や東名の「サポート役」

 神奈川県西部で、新たな東西軸となる高規格道路「厚木秦野道路」が事業中です。

 構想区間を合わせると、この地域の自動車移動に、大きな変化をもたらすことになりそうです。一体どのような道路なのでしょうか。

 厚木秦野道路は、国道246号のバイパスとして、秦野市や伊勢原市、厚木市などを経由する道路です。新東名と東名に並行する「第3の東西軸」を形成します。

 新東名の新秦野ICから分岐し、東名の秦野中井ICにも接続。そのあと伊勢原大山ICで再び新東名に接続。厚木市内では北へ回り込んで圏央道・圏央厚木ICへ直結する予定です。

 設置予定のICは、秦野西IC(新東名直結)、渋沢IC、秦野中井IC、伊勢原西IC、伊勢原北IC(新東名直結)、森の里IC、厚木北IC、圏央厚木ICの8か所です(新設はいずれも仮称)。

 完成すれば、静岡方面から来たクルマが、大渋滞の海老名JCTや海老名南JCTをスルーして、圏央道へ入ることができます。もちろん、地域移動でも、大渋滞の国道246号の混雑回避に期待が高まっています。

 なお、まだ構想の段階ですが、圏央厚木ICからさらに東進し、座間市内で国道246号へ接続する計画もあります。

 ここまで完成すれば、いよいよ秦野~座間で国道246号を「まるごとバイパス」できるようになります。とにかく破滅的な大渋滞でドライバーを疲弊させる「246号神奈川区間」ですが、全くの無縁となる日がやってくるかもしれません。

■工事はどこまで進んだ?「座間延伸」の話はどうなってるの?

 ひとまずは新東名~東名~圏央道の約29kmを整備する計画になっている、厚木秦野道路。その中でも、工事の最盛期を迎えているところもあれば、事業化すらまだの区間もあります。

新東名の伊勢原JCT(画像:写真AC)。

 事業化すらしていないのは「秦野西IC~秦野中井IC」「伊勢原北IC~厚木北IC」の2か所。残り2区間3工区で事業が進められています。

 工事がもっとも進んでいるのが、伊勢原西IC~伊勢原北ICの「伊勢原地区」4.8kmです。用地取得率は2023年度末の時点で「約93%」で、新東名南側に架かる「鈴川橋」もすでに橋桁が架かった状態です。

 伊勢原地区は2か所の短いトンネル「伊勢原第一トンネル」「伊勢原第二トンネル」があり、ここで時間がかかりそうです。「第一」は今年着工で、「第二」は設計段階です。

 次に工事が進んでいるのが、厚木北IC~圏央厚木ICの「厚木地区」3.6kmです。用地取得率は「約72%」で、「中津川橋」は橋脚を立てている段階で、橋桁設置はまだ先の予定。西隣の「荻野川橋」は、まだ工事発注の動きがありません。トンネルは皆無です。

 伊勢原西IC~秦野中井ICの5.2kmは、まだ準備工事の段階。事業化は2014年で、用地取得率は約20%まで進みました。この工区は半分以上がトンネルなので、難工事が予想されます。

 ※ ※ ※

 さて、気になる延伸区間「厚木~座間」の状況ですが、まだ機運は十分に高まっていません。地元の座間市でも、道路計画でなんとなく「厚木から川を渡ってやってくるらしい」程度の記述があるのみです。

 いっぽう、2022年の市議会では、この「座間延伸」について、「次期座間市総合都市交通計画の策定の中でその必要性を検討してまいります」という方針が明らかにされました。

 現在の「交通計画」の期間は、2030年度まで。それ以降にあらためて厚木座間道路の延伸についてより具体化が盛り込まれ、都市計画道路の指定などの動きがあるものと思われます。

 もっとも、国の動きとしても、まずは目下の「秦野~厚木」を完成させるのに注力したいところです。神奈川県が2016年に策定した「改定・かながわのみちづくり計画」では、構想路線がリストアップされる「10年後期待される効果及び将来に向けて検討が必要な道路」にすら取り上げられていません。

 果たして国道246号の「完全バイパスルート」が実現するのはいつになるのか、今後の動向に注目です。

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