各地で冠水や水没といった被害が報告されます。またコインパーキングからクルマが出せなくなる状況も考えられますが、この場合でも通常の駐車料金はかかるのでしょうか。
■ゲリア豪雨でコインPから出れない…どうすれば?
ここ最近、晴天だった天気が突如として大雨、ゲリア豪雨になることも多くなっています。
被害が大きい場所では冠水してクルマがダメになってしまうことも。またこの冠水によってコインパーキングに駐車していたクルマが出庫できないという事態もあり得ます。
そのような場合でも駐車料金は満額支払わないといけないのでしょうか。
夏のゲリラ豪雨、台風による大雨など雨が多い日本では、冠水によってコインパーキングに駐車していたクルマが出庫できないという事態がしばしばあります。
この場合、駐車時間が本来の予定より長くなりますが、これは駐車したドライバーの過失による延長ではなく、自然災害によるものです。
そういった場合、大雨の冠水による延長分の料金は自己負担しなくてはならないのでしょうか。
また、駐車場の管理会社としてはどういった対応をするのでしょうか。
全国で駐車場事業や、駐車場経営のサポートも行う駐車場管理会社の担当者は「気象予報等で自然災害の可能性がある際には、安全な場所に車両を避難いただくなど、お客様自身で車両の管理をお願いいたします」と話します。
同社は原則として、ユーザーの車両を預かるのではなく、駐車スペースを提供するサービスに過ぎないという方針を掲げているようです。
そのため、管理会社は駐車された車両に関する全ての責任は負わず、不測の事態でも責任は駐車したドライバーにあることになります。
なお、この免責条項は駐車場やウェブで掲示されているようです。前出の担当者は駐車料金についても原則に基づいて「自然災害に起因した車両の損害や出庫不可については、当社の故意または過失がある場合を除いて補償の対象外になり、駐車中の駐車料金も発生いたします」と話しています。
やはり駐車場の運営会社としては責任を負わず料金も、駐車した時間の通りに支払わないといけないようです。
このように駐車場の運営会社では自然災害時でも責任を負わないというのが原則ですが、SNSではさまざまな意見が飛び交っています。
「なんで払わなくていいと思えるのか。図々しいにもほどがある」「水没するおそれが有る場所に駐車した責任がある」と方針を受け入れる意見が多いようです。
受容意見のなかには「冠水するようなコインパーキングは日頃から避けるに越した事はないという事か」と反発しつつもやむを得ずというものもあります。
一方で「無慈悲すぎる、好きで駐車してるんじゃないのだから」「払うもの払えというスタンスはなかなかブラック」など大きく反発する意見も少なくありません。
もっと踏み込み「ならば冠水の危険ありなど表示すべきだろう」と駐車場運営にあたっての管理会社の責任をより強く求める意見もあります。
駐車場でのトラブルは基本的に自己責任の対応が求められるようです。
それでは、実際にそのような不測の事態に直面した場合、ドライバーはどこに連絡すれば良いのでしょうか。
前出の担当者は「ご利用者様の車両が水没した場合は、ご自身での出庫(レッカーなどの手配)をお願いしています」と話しています。
仮に駐車場の運営会社に連絡したとしても、運営会社が責任を負うことではなく、ロードサービスへ連絡するように勧められるようです。
また、土砂崩れや地震による地割れなど、出庫できなくなる事態は冠水の他にも多く考えられます。
しかし、いずれの場合でも基本的にはレッカーでの引き上げなどを自分で要請する必要があります。
ちなみに、自動車保険付帯のロードサービスはものによって移動可能な距離に幅があり、基本的に50km以内ですが一様ではありません。
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自然災害発生時に出庫できない場合の駐車場管理会社の対応方針は示されているものの、十分に周知されているとは言い難いようです。
使用するときは今一度規則を確認してみると良いかもしれません。