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免許証見せたら「罰金」も!? 悪気は無いのに「うっかり無免許運転」の怖さとは 旅行先で思わぬ「警察沙汰」防ぐためには

くるまのニュース 2024年8月13日 14時50分

運転免許証を取得せずにクルマを運転すると「無免許運転」になります。しかし、免許を持っているにもかかわらず、無免許運転に該当してしまう行為があります。それはどのようなケースでしょうか。

■免許証を持っていても「無免許運転」で捕まる場合がある

 運転免許を取得していないのにクルマを運転することを、一般的に「無免許運転」といいます。
 
 しかし、この無免許運転は、たんに免許を取得せずに運転する行為を指すのではありません。「免許証を所有しる」場合でも、それが「有効でない」場合は無免許に該当してしまうのです。
 
 そんな「うっかり無免許」にはどのようなケースがあるのでしょうか。

 よくあるのが「有効期限が切れている」ケースです。有効期限が切れた状態を「失効」といいますが、このときに運転すると無免許運転になります。

 つい更新を忘れたり、気づかなかったりして「うっかり失効」してしまう人も多いようです。そのため、引っ越した場合は、免許更新連絡のハガキが確実に届くように住所変更を届け出ることも大切でしょう。

 次に「免許停止中」「仮停止中」に運転するのも無免許運転にあたります。

 免許停止、いわゆる「免停」とは、行政処分により免許証の効力が一定期間停止されることです。一般的には、過去3年間の違反点数が累積6点以上14点以下になった場合に、免停の処分が下されます。

 一方で、救護義務違反や酒酔い運転など重大な違反が起きた際に、管轄の警察署長が緊急的にドライバーの免許の効力を停止することがあります。このような状態を仮停止といいます。

 なお、免許取消しになった後に運転する場合も、無免許運転は成立します。

 それだけでなく、点数制度とは別に、病気を理由に免許を停止されたり取り消されたりする場合があります。

 疾患などにより安全な運転に必要な能力を欠くおそれがある場合は、医師が運転をやめるよう勧告しますが、それでも運転を続けると、医師が公安委員会へ届けを出し、免停や取消しの処分が下されます。

 こうしたケースでも、処分後にクルマを運転すると無免許運転になります。

■まだまだある!免許があるのに「無免許」で捕まる危険

 さらに、ドライバーはその免許の「区分」に応じたクルマしか運転できません。

免許証の「条件」にも注意

 こうした免許区分と運転について、交通相談コーナーの担当者は次のように話します。
 
「例えば普通免許しか所持していないにも関わらず、大型免許が必要なクルマを運転した場合は、りっぱな無免許運転となります」

 ほかにも、バスやタクシーなど「営利目的のクルマ」は普通自動車であっても「第二種運転免許」が必要なので、一般的な第一種運転免許のままでは運転できません。

 さらに、「AT車限定」という条件で普通免許を持つ人が「MT車」を運転するのも違反になります。

 なおこの場合は無免許運転ではなく、「免許条件違反」という交通違反に該当します。3か月以下の懲役または5万円以下の罰金、違反点数2点、普通車であれば7000円の反則金が課されます。

 ちなみにこれらの規則は、公道を走行した場合に適用されます。たとえば公道でエンジンをかけた状態のクルマに乗り込んだだけで、走行しないのであれば、無免許運転には問われません。また私有地でならどんなクルマも自由に運転できます。

 また、「仮免許」期間中の練習運転にも注意が必要です。

 仮免許中は、資格ある指導者として、そのクルマを運転できる第一種免許を3年以上持つ人や、第二種免許を持つ人を同乗させなければなりません。こうした人がいない場合は無免許運転になります。

 また、練習以外で運転するのも違反です。例えば、練習のついでに買い物に寄ったといっても、練習が主目的でないと判断されると無免許運転とみなされてしまいます。

 加えて、仮免を終えて試験に合格した後も注意が必要です。免許証が交付される前に運転するのも無免許運転に該当します。

■シャレにならない!旅行先でも「うっかり無免許」のリスクが!?

 さて、海外で運転する場合も、うっかり無免許運転を起こしてしまうケースもあります。

国際運転免許証とパスポート

 日本以外で運転する場合は「国外運転免許証」、いわゆる国際免許が必要です。国際免許はジュネーブ条約に基づいて公安委員会が発行しますが、有効期限が切れていると無免許運転に該当します。

 国際免許の有効期間は「発行日から1年間」です。更新制度はなく、国内運転免許が失効すると国際免許も効力を無くします。

 唯一、アメリカ、ハワイ州では、入国後1年以内に限り、日本の運転免許でクルマを運転できます。その際は、入国後1年以内であることを証明するためパスポートの携帯も必要です。

 しかし、事故や違反で取締りを受けた場合に無免許運転として処理される恐れもあるようです。そのため、やはり国際免許も持つと万全でしょう。

※ ※ ※

 ドライバーとしては、無免許運転を避けるよう努めなくてはなりません。

 道路交通法では、「自動車及び原動機付自転車を運転しようとする者は、公安委員会の運転免許を受けなければならない」と第84条で定めています。また、運転免許を受けないで、つまり無免許で自動車または原動機付自転車を運転してはならないとしています。

 無免許運転を行った場合は、3年以下の懲役または50万円以下の罰金、違反点数25点が課されます。

 また、運転する人が無免許と知りながらクルマに同乗するのも、道路交通法で禁止されています。違反した場合は、2年以下の懲役または30万円以下の罰金が課されます。

 持っている免許でそのクルマを運転できると思い込んでいるケースもあるので、「気づかずに無免許運転していた」ということがないよう、改めて免許の内容を確認することも大切です。

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