丸くて可愛らしいボディを持ちながら、2シーターのオープン仕様とおしゃれなスタイリングを実現したダイハツ「コペン」。その見た目を大きく変えた「コペニー」が中古車市場に登場しました。
■「コペン」に見える謎の「コペニー」
見た目はダイハツ「コペン」に見える謎の「コペニー」が中古車市場に登場しました。
どのようなモデルなのでしょうか。
「軽自動車」は最も人々の生活に寄り添った車といえるでしょう。
ボディサイズが小さく、車体価格も税金も比較的安価に設定され、狭い道も山道もスイスイと進んでいく。
多量の荷物も積載することができ、プロの配送用として、日常のアシとして、通勤者として、セカンドカーとして軽自動車を保有する人は少なくないでしょう。
ところが、その性能をホビーのように捉えて趣味用に使用するユーザーも増えてきています。
軽自動車メーカーも、趣味用の需要を満たしたモデルを続々と発表しています。
例えばスズキ「ハスラー」や、ダイハツ「タフト」はその良い例で、汚れた荷物をそのまま入れられるように内装が工夫されていたり、車中泊に対応したりと様々な趣味に対応しています。
さらに思い切り趣味用途に全振りしたモデルもあります。ダイハツ「コペン」です。
コペンは軽自動車ながら「オープンスポーツ」という特徴を持つモデルです。
2024年8月現在で販売されている軽オープンはコペンのみ。唯一無二の存在となっています。
コペンは2002年に初代が発売されました。
丸くて可愛らしいボディを持ちながら、2シーター(2人乗り)のオープン仕様とおしゃれなスタイリングを実現。
スポーツモデルとしての性格も持ち、最高出力47kW(64PS)/6000rpm・最大トルク110Nm(11.2kgm)/3200rpmの660cc直列3気筒ターボエンジンに、4速ATもしくは5速MTのトランスミッションを備えていました。
コペンは人気を集め、2014年から2代目にフルモデルチェンジされ、現在も販売が続いています。
2代目もオープンスポーツというコンセプトは受け継がれましたが、シャシーなどは刷新され樹脂ボディ(外板)の“着せ替え”が可能となりました。
ベーシックの「コペン ローブ」、クロスオーバースタイルの「エクスプレイ」、初代らしいデザインの「セロ」、TOYOTA Gazoo Racingがチューニングしたスポーツモデル「GRスポーツ」の4種類がラインアップ。
なお2024年10月下旬で、クロスオーバースタイルの「エクスプレイ」が生産終了します。
■コペンとジムニーが合体? どういうコト?
今回、中古車サイトに出品されていたのは、コペンはコペンなのですが、その名も「コペニー」。
初代コペンのボディをリフトアップし、本格的なクロスカントリーモデルにカスタマイズしたモデルとなります。
製作したのは兵庫県のコペン専門店「も。ファク」で、その方法がユニークです。
コペニーの「コペ」は、コペンからとったものですが、残りの「ニー」は、スズキ「ジムニー」のニーです。
実はこの車体は、コペンとジムニー(3代目:ひと世代前の型)の“ニコイチ”となっているのです。
このモデルについて、も。ファクの担当者は次のように話します。
「外見だけを作って完成という訳ではなく、ダウンギアや前後Eロッカーなどを搭載しています。
また、悪路走破性を向上するためのカスタムを施しており、ノーマルのジムニー以上に悪路を攻めれる実践型に仕上げました」
シャシーはジムニーのものをそのまま流用。ボディをはがしてフレームのみにし、さらにパワートレインと運転席を残してそこにコペンのボディを被せるといった改造方法をとっています。
もちろんそのままでは被せられないので、コペンのボディの要所要所を切って加工し、ジムニーのフレームに合わせています。
さらにジムニー用のサスペンションも交換し、車高をアップ。見た目も性能もホンモノのクロスカントリーに仕上がっています。
内装はジムニーのメーターやエアコンパネルとコペンのダッシュボードを組み合わせ、シートはコペンの記念車純正のレカロ仕様を移植しています。
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完成したコペニーは雰囲気に破綻がなく仕上がり、砂漠も走れるラリーカーのような存在感を醸し出しています。
も。ふぁくは、さらに第2弾として現行型のコペン エクスプレイのボディを移植したコペニーも製作したようです。
「評判は上々ですが、需要自体は少ないでしょうね」と担当者はいいます。
非常にマニアックなコペニーですが、販売されている個体はきちんと公道を走ることができます。
販売価格は255万8000円。決して高すぎる価格ではないでしょう。この上なく目立つこと間違いありません。