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都心~所沢を直結!? 壮大な「目白通り延伸」工事がなかなか進まない「2つの理由」とは 練馬ICの先の「ブツ切れ道路」はどうなる!?

くるまのニュース 2024年8月16日 7時40分

東京都練馬区内で整備中の幹線道路が、長期間に渡って未開通になっています。一部箇所で用地取得が難航している状況だといいます。いったい何が起きているのでしょうか。また、その先の計画は壮大なルートになっています。

■工事に着手してから既に18年が経過も…いまだ開通しない道路とは

 東京都練馬区内で整備中の幹線道路が、長期間に渡って未開通になっています。一部箇所で用地取得が難航している状況だといいます。いったい何が起きているのでしょうか。
 
 実は将来計画では所沢方面へ直結予定ですが、そちらも長い未開通区間があります。現在はどんな問題があるのでしょうか。

 現場は、都心から関越道までをつなぐ「目白通り」の延伸区間です。行政上は「放射第7号線」として、戦後すぐに策定された都市計画道路で、全体幅25mの2車線道路です。

 この道路の全体計画としては、練馬区からさらに北西へ伸び、所沢市内へつながることになっています。すでに所沢市内では県道「練馬所沢線」「所沢堀兼狭山線」が立派な4車線道路として伸び、国道16号へ直結。そのまま圏央道・狭山日高ICを経て飯能市内へ抜けていきます。

 つまり、「目白通り」の延伸部が完成すれば、「都心~所沢」の放射道路が誕生し、延々と生活道路しかない東京・埼玉県境周辺の広大な「道路砂漠」状態が、緩和されることとなります。

 さて、そんな目白通り延伸部ですが、関越道から先について、着工から20年近くたっても全く開通する兆しがありません。

 その背景には、計画線上にある墓地の移設に関して、交渉が難航しているといいます。

 墓地を管理する寺院の住職によると、現地に約200基ある墓のうち、都市計画道路の範囲にかかっているものは約130基であり、都から代替地として移転補償を提示されたのは、この一部分だとしています。

 残りの約70基のお墓については移転の対象とならないため、墓地が分断状態になります。住職は本堂とすべてのお墓を合わせて1つのお寺と考えているため、全面移転を求め、交渉が平行線を辿っているのです。

 東京都建設局の担当者は、お墓の立ち退きなど個別の対応方針については回答を控えるとした上で、「道路整備については、整備が進んでいる区間もあるため、部分的な交通開放に向けて検討してまいります」としています。

 もっとも、一般的に墓地の移転には、寺院の住職だけでなく、墓の所有者それぞれの合意が必要となってきます。というのは、故人の眠る場所を移動するため、「改葬」の手続きを行うことになるからです。これはマンションなど集合住宅の移転でも課題となっています。

 さらにこの「放射第7号線」がめでたく完成すれば、開通済みの西東京市区間とあわせて、東京中部を縦につらぬく4車線の大動脈「伏見通り」までつながり、そのまま多摩ニュータウン方面までも見据えた道路ネットワークとなります。

 しかし、所沢の4車線道路までがトントン拍子に進むかというと、そうも行かなさそうです。というのは「目白通り延伸部」はこの先、「埼玉県新座市、東京都東久留米市、埼玉県新座市、東京都清瀬市、埼玉県所沢市」と、都県境が恐ろしい高密度で入り乱れ、工区がブツ切れになっているからです。

 もちろん都市計画など諸手続きは自治体ごとにおこなわれていきます。あまりにも足並みが揃わないため、両都県は「東京都・埼玉県道路橋梁調整会議」を設置するほど。その甲斐あってか、各工区は事業着手が少しずつ進み、現地でも動きが見られ始めています。

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