いわゆる「トナラー」問題がトラブルへと発展するケースは少なくないと言います。なぜ「トナラー」問題は起こるのでしょうか。一体どのような心理なのでしょうか。
■なぜそこに駐車する?「トナラー」の心理とは
SNSなどで度々話題となる「トナラー」。なぜ人はトナラーをしてしまうのでしょうか。
空いている駐車枠があるのに、あえて隣にクルマを駐めてくる行為を「トナラー」と呼ぶようです。
クルマを駐車する際にドライバーは何を気にするのでしょうか。
まず運転に不慣れ、とくに駐車することが苦手な人の場合では、比較的にクルマが駐めやすい枠を探します。
出来ることなら隣のクルマや壁にぶつけたくないので、両隣が空いている、もしくは幅が広い場所を選びます。
またある程度、駐車が慣れている人であればできるだけ、出やすい場所に駐める、もしくは施設などの出入り口に近い場所を意識して探します。
さらにクルマに詳しい人であれば、万が一にドアパンチして傷つけないようにと高級車の隣を避けるということもあるかもしれません。
このように一言で駐車をするとしても、ドライバーは様々なコトを考えているものです。
一方で度々SNSで話題となるのが他に空いている駐車枠があるのにもかかわらず、あえて自分の隣に駐めてくる「トナラー」です。
トナラーに対して、SNSでは「周りガラ空きなのに隣に来るのは困りもの」、「こういう停め方する人の気持ちがわからないなあ」など、不思議に思う人が多いようです。
なかには「本当に頭にくる」「かなり嫌なんだよな」「ぶつけられたら嫌」などと嫌悪感を抱く人も。
さらには「トナラーがイヤだからいつもお店の入り口からいちばん遠いところに駐車する」、「トナラーが嫌なので、柱や壁があるとこに駐めている」などの声も見受けられました。
では、なぜ他にも空いているのに隣に駐めることをするのでしょうか。
このトナラーには、明確な理由があるというよりには複数の心理的要因が挙げられます。
例えば、前述の駐車が苦手な人の場合、何も周りに無いほうが良い人もいれば、目印となる障害物が欲しい人もいます。
その場合、他に空いている駐車枠があっても、目印となるクルマを探して隣に駐めるということがあるのです。
またクルマ好きからすれば「憧れのクルマの横に駐めたい」という人もいるかもしれません。
憧れている人からすれば、間近でクルマを見るチャンスですが、一方でそのクルマに乗っているドライバーは「ドアパンチされたら嫌だ」という嫌悪感を抱くでしょう。
また稀な例として、後から来た人が「いつも駐める場所」がたまたま自分の隣だったということもあり得るようです。
こうしたトナラーについて、過去に臨床心理士は「人間は何も無いところより、集まっていたという習性があります。そのため、他に空いている場所があっても『隣にいたい』という気持ちがトナラーにつながるのではないでしょうか」と話していました。
クルマを駐車する場合、意図せずにトナラーになっていることもあります。一方でトナラーされた側は結果的に不快に思うことも。
そのため、自分がトナラーに逢いたくない場合には、出来るだけ出入り口から遠い枠に駐めるか、柱などがありトナラーしづらい場所に駐めるなど工夫してみるのもひとつの手段です。
それ以外の場合では、ある程度のトナラーは「しょうがないもの」と割り切るほうがいいかもしれません。