交通違反の取り締まりなどで警察官から「運転免許証を見せてください」と言われることがあります。警察官はどのような内容を見ているのでしょうか。また運転免許証に記載される12桁の数字からは何がわかるのでしょうか。
■警察官の「免許証見せて」何を見てる?
警察の交通取り締まりに遭遇した際、警察官から「運転免許証を見せて」と言われることがあります。
では、警察官は運転免許証のなにを見ているのでしょうか。
運転免許証を確認した警察官からは「はい、ありがとうございます」と言われて返却されますが、その時のユーザー心理としては「何を見ていたんだろう」と気になるものです。
運転免許証には、その人の顔写真、氏名、住所、生年月日といった個人情報に加えて、各免許の区分や条件、取得日、有効期限などが記載されています。
またそれ以外に免許番号と呼ばれる12桁の数字が記載されています。
最初の2桁は、どの都道府県で免許証を交付したかどうかが分かる公安委員会コード。
3、4桁目は免許証が交付された年の西暦下2桁を表す年別番号で仮に2000年に免許を取得していれば「00」、2010年なら「10」となります。
次に5桁目から10桁目の数字は交付番号と呼ばれ、免許証を交付した年ごとの一連番号を表しています。
そして、11桁目は入力ミスを確認するためのチェックデジット(検査数字)となり、12桁目は再発行回数を表示している数字です。
なお巷の噂では、12桁の番号で「最初に受験した学科試験の減点数をあらわしている」、「個人の犯罪歴などの情報が含まれていて、要注意人物を判別できるらしい」などと言われています。
しかしこの噂について元警察官Aさんは「学科試験の点数や犯罪歴が判明することはありません」と話します。
このように様々な情報が記載されていますが、警察官はどのような情報を見ているのでしょうか。
前出の元警察官Aさんは次のように話します。
「運転免許証を見る際には、まず有効期限が切れてないかを確認し、更新日が近づいていればお知らせするほか、切れている場合はその対応方法を伝えます。
交通違反の取り締まりであれば、手続きに必要な名前や住所、免許証番号などを記載するため、諸々の情報を確認します」
またトラックやバイクの場合では、所有している免許区分と乗っている車両が合致しているかの確認もするとのこと。
その他、運転免許を取得して1年未満であれば、クルマに初心者マークを付けなければならないためそのあたりも見ているようです。
しかし初心者マークをつけておらず、「初心運転者標識表示義務違反」が発覚したケースもあったといい、運転免許を取得した年月日も注意して確認しているといいます。
また運転免許証の内容以外に注視していることについて前出の元警察官のAさんは次のように話します。
「運転免許証の提示をお願いした際にその人の挙動を見ることもあります。
明らかに挙動不審だったすると、なにか隠し事があるのではないか。と疑います」
このように運転免許証の内容だけでなく、その人自身の動向も気にしているようです。
では、警察官から運転免許証の提示を求められた際に拒否することは出来るのでしょうか。
これについて、道路交通法第95条第2項では「免許を受けた者は、自動車等を運転している場合において、警察官から第67条第1項又は第2項の規定による免許証の提示を求められたときは、これを提示しなければならない」と定められています。
そのため警察官から提示を求められた場合には、素直に見せることが望ましいと言えます。
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なお運転免許証を身分証明書として利用する人もいます。
運転免許証があれば、行政手続きや銀行口座の解説やクレジットカードの発行も可能です。
そのため万が一、紛失した場合にはすぐに最寄りの警察署などで再交付する必要があります。