高速道路を走っていると一部道路で工事規制箇所を見かける場合があります。最近この規制箇所でクルマの衝突事故が多発しているといいます。なぜなのでしょうか。
■クルマが工事箇所に突っ込む!? 「衝撃映像」とは
クルマで高速道路を走行していると、一部道路で工事が行われているなど車線が規制されている場合があります。
最近では、この工事規制箇所でクルマやトラックの衝突事故が多発しているといいます。一体なぜなのでしょうか。
NEXCO中日本東京支社は、公式SNS(@c_nexco_tokyo)に30秒ほどの動画を投稿。
動画には、道路の片側や路肩が工事規制箇所となっていて、規制予告をする矢印の看板の設置や、走行する車線が誘導されていますが、規制箇所を無視するように、クルマやトラックが矢印の看板に衝突したり跳ね除ける様子が映し出されています。
なかには、作業車に突っ込んで衝突する様子が見られるなど、衝撃的な事故の様子がうかがえます。
投稿のコメントには、以下の内容でユーザーに注意を呼びかけています。
「高速道路上の工事規制箇所へ衝突する事故が多発しています!
運転支援機能を過信し、前方を見ていないと思われる事故や、スマートフォンを見ながらの『ながら運転』による事故の多発と考えられます。
走行中は前を見て運転してください」
この投稿が行われた2023年6月当時、ユーザーからのコメントが多数寄せられるなど、大きな注目を集めました。
最近では、2024年3月にもNEXCO中日本の名古屋支社が同様の内容を公式SNSにアップしており、今もなお衝突事故が絶えず発生している状況であることがうかがえます。
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事故多発の大きな要因には、前述にもあるようにACCなどの運転支援機能の過信が挙げられます。
アダプティブクルーズコントロール(ACC)は、車両前方に備え付けられたカメラやレーダーなどによって前方車両を認識し、ドライバーがアクセルペダルを操作しなくても、一定の車間距離を保ちながら追従することが可能な運転支援機能です。
ドライバーにとっては便利な機能といえますが、あくまでこうした運転の主体はドライバー(人間)です。
また安全支援機能は、工事規制箇所の規制看板などに反応しないケースがあります。
例えばトヨタ安全機能「Toyota Safety Sense」では、「車線と誤って認識するような路側構造物(ガードレール・縁石・反射ポールなど)があるときにはハンドル操作サポートが正常に作動しない場合がある」と説明しています。
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スマホを見ながらの「ながら運転」にはどういった罰則にあたるのかも見てみましょう。
運転中にスマホなどを使用する「ながら運転」は、交通事故が相次いで発生していた事態を受け、2019年12月に罰則が強化されました。
運転中にスマートフォンを使用していた場合、「携帯電話使用等(保持)」違反に該当します。電話の通話や、画面の注視も対象です。
違反した場合、違反点数は3点、反則金は普通車で1万8000円、大型車では2万5000円。また罰則として6か月以下の懲役または10万円以下の罰金が科されます。
さらに、事故を起こした場合は「携帯電話使用等(交通の危険)」違反が成立。
反則金制度は対象外となり、すべて罰則の対象になり、違反点数は6点で免許停止、刑事罰として1年以下の懲役または30万円以下の罰金が科されます。
ドライバーのなかには、本人に自覚がなくてもついスマホなどに気が取られて「ながら運転」をしてしまっているケースもあるかもしれません。
重大な事故にならないよう、安全支援機能の過信はもちろん、「ながら運転」にも注意して、安全運転を心がけましょう。