トヨタ「クラウンマジェスタ」は現在でも復活を望む声が多く、人気を博しています。実は海外で新たに「クラウンマジェスタ」が復活していました。
■憧れた「クラウンマジェスタ」とは
かつて日本市場で販売されていたトヨタ「クラウンマジェスタ」。現在でも復活を望む声が多く、人気を博しています。
そんなクラウンマジェスタですが、すでにその名が復活しているようです。
1991年に9代目クラウンと同時に登場したクラウンマジェスタは、4リッターV型8気筒エンジンを搭載。
さらにはエレクトロマルチビジョンや運転席エアバッグなどを標準装備され、当時のクラウンシリーズのフラッグシップモデルとして君臨していました。
単なる上級グレードとしてではなく、当時のクラウンシリーズのフラッグシップモデルに君臨することになったのは、1988年に登場した「セルシオ」が関係していると言われています。
当時、北米市場でプレミアムブランドとしてレクサスが誕生。そのフラッグシップモデルとして登場したのが「LS」です。
一方、日本ではレクサスが展開されていなかったこともあり、LSはセルシオの名で販売されました。
しかし、日本市場ではクラウンが存在していたこともあり、セルシオとの立ち位置が曖昧になる可能性があったのです。
そこでトヨタは、8代目クラウンに新開発4リッターV型8気筒エンジンを搭載した「4000 ロイヤルサルーンG」をクラウンシリーズのフラッグシップとして設定。
一方のセルシオは、その1か月後に同じ4リッターV型8気筒エンジンを搭載したモデルとして日本に登場。これには「新開発エンジンを初めて採用したのはクラウン」という戦略によるものでした。
そして、9代目クラウンに設定されたのが「4000 ロイヤルサルーンG」の事実上の後継モデルとなるクラウンマジェスタです。
つまり、クラウンマジェスタはセルシオとの立ち位置を明確にするために存在したといっても過言ではないモデルでした。
その後のクラウンマジェスタは、V型8気筒エンジンや通常クラウンとは異なる先進装備などを搭載するなどの特徴を持っています。
しかしながら、2013年に登場した13代目クラウンからでは、「ロイヤル」や「アスリート」と並ぶひとつのシリーズとなり、2018年に登場した15代目クラウンで「マジェスタ」の名が消滅しました。
そして、2022年に登場した16代目クラウンでは、新たに4タイプ(クロスオーバー、スポーツ、セダン、エステート)が設定され、日本でマジェスタの名は復活していません。
しかしながら、2023年にクラウンクロスオーバーがサウジアラビアに導入された際、最上級グレードとして「マジェスタ」の名が5年ぶりに採用されたのです。
前述の流れを見れば日本で販売されていた「クラウンマジェスタ」とサウジアラビアで設定されるクラウンクロスオーバーの「マジェスタ」は別物ということは明確。
それでも「マジェスタ」という名がクラウンにとって特別な名というのは統一された見解なのかもしれません。