日産のインド法人は、4代目の「X-TRAIL(エクストレイル)」のインド仕様を公開。同市場での販売を開始しました。どのようなクルマなのでしょうか。
■1車種体制を脱出…新型「エクストレイル」登場
日産のインド法人は、4代目の「X-TRAIL(エクストレイル)」のインド仕様を公開。同市場での販売を開始しました。
エクストレイルは、日産が2000年から販売しているクロスオーバーSUV。初代モデルは「4人が快適で楽しい、200万円の使える四駆」というコンセプトで登場し、日本国内だけでなくアジア、オーストラリア、中近東など、世界でも販売されました。
その後、2022年に現行モデルである4代目エクストレイルが登場。
4世代にわたって通算780万台以上が販売され、2023年には「世界で最も売れているSUVトップ5」にランクインしましたが、インドでは販売されていませんでした。
これまでインドで販売されていた日産のクルマは「マグナイト」のみの“1車種体制”だったところに、今回新しくエクストレイルが追加されました。
特長としては、31.2cmのTFTマルチインフォメーションスクリーンや、R20ダイヤモンドカットアロイホイールなど、インドのこのセグメントのクルマとしては初の装備が採用されていること。
リアドアの開口部を85度と大きく取り、2列目と3列目の乗り降りを快適にした7人乗りのクルマであること、そして3列目を折りたためば585リットルのラゲッジスペースを確保できることなどが挙げられます。
日産のインド法人はARCと名付けた事業計画に沿って、今後2024年から2026年までのあいだに、インドで設計、開発、製造された3つの新モデルを導入するとのこと。
インド市場の開拓は今後も急激に進んでいくことが予定されており、今回のエクストレイル発売はその第一歩であるとされています。
そんなエクストレイルのボディサイズは、全長4680mm×全幅1840mm×全高1725mm、ホイールベースは2705mm。
エクステリアは、日産車で象徴的なVモーショングリルや、ブーメランシェイプを描くヘッドランプが上質感を感じさせます。側面から見たときには、大きなR20ダイヤモンドカットアロイホイールも、存在感大です。
エンジンルームへの空気の流れを制御するアクティブグリルシャッター、前面から側面への空気の流れを正確に導く独自の「エアカーテン」は、走行中に気流から受ける力を制御する効果があり、車両を安定させます。
インテリアは、フタが両側に開く(バタフライオープニング)センターコンソールボックスが特徴的で、後部座席の乗員が収納スペースにアクセスしやすくつくられています。
フローティングコンソールは小さなアイテムを収納しやすい収納スペースとして活用可能で、これは「ファミリーカーは収納スペースがいくらあっても足りないから」という理由でつくられた機能性でした。
また、車内に日光を取り入れることで明るくするパノラミックサンルーフや、人間工学に細心の注意をはらって開発されたという、感触のいいスイッチ類も特長です。
パワートレインは、1.5リッターガソリン可変圧縮ターボエンジンとALiSマイルドハイブリッドシステムを組み合わせ、最大出力163馬力・最大トルク300Nmを発生します。トランスミッションは第3世代エクストロニックCVTがです。
ALiSマイルドハイブリッドシステムは、トルクアシストやアイドリングストップの延長により、燃費とCO2排出量の両方を改善。減速時にはリチウムイオンバッテリーにエネルギーをたくわえ、加速時にエンジンのトルク負荷を抑えることで、燃費が向上します。
第3世代エクストロニックCVTは、新しい電動オイルポンプを備えたツインオイルポンプシステムの改良により、燃費と加速性を向上させたトランスミッションですが、運転するうえでの感覚は従来のATと近しいものになっています。
安全機能として、移動物体検出機能つきアラウンドビューモニターや、横すべり防止機能(ESC)などを装備。
トランクドアを軽い複合素材で作製するほか、フロントドアやリアドア、フロントフェンダー、ボンネットをアルミニウムでつくることで、ボディの軽量化に成功しています。
ボディカラーはシャンパンシルバー、パールホワイト、ダイヤモンドブラックの全3色から選択可能です。
価格は499万2000インドルピー(約875万円)となっています。