クルマの運転席には、「クルマが踊っているようなマーク」の付いた謎のスイッチがあります。これは一体どのような時に使用するものなのでしょうか。
■「クルマが踊ってる」謎のスイッチは重要な機能!
クルマの運転席のメーターパネル周辺には、「クルマが踊っているようなマーク」の付いたスイッチがあります。
通常は押すことがないため、何のためのスイッチなのかはおろか、その存在を知らない人もいるかもしれません。
この「謎のスイッチ」、一体どのような時に使用するものなのでしょうか。
このスイッチの正式名称は「横滑りマークスイッチ」と言い、「横滑り防止装置」のON・OFFを切り替えるためのものです。
「横滑り防止装置」は、カーブを曲がる際や、滑りやすい道を走行する際に、クルマが危険な挙動をしないよう制御するための安全装置。
具体的にはエンジンの出力を抑えたり、タイヤが空転しないようにしたりして、クルマの挙動を安定させ、駆動力を維持します。
普通自動車は2012年、軽自動車は2014年から機能の装備が義務付けられているため、最近のクルマには必ず存在している装備されています。
このように「横滑り防止装置」は安全に走行するために必要不可欠な機能なので、通常は「ON」の状態になっています。
実際に冒頭の「横滑りマークスイッチ」を見ると、スイッチが点灯しているなどして、機能がONになっているのが分かるでしょう。
そして通常はONの状態ですが、スイッチを長押しすることで「横滑り防止装置」を解除することが可能です。
しかし、なぜ安全装置なのに解除できるようになっているのでしょうか。
実は「横滑り防止装置」がマイナスに働くシチュエーションがあります。
例えば、タイヤがぬかるみや雪にはまってしまった場合です。
脱出しようとアクセルを踏み込んだ際、「横滑り防止装置」がONになっていると、タイヤの空転を感知し、自動的にエンジンの出力を抑えます。
これでは脱出が不可能ですから、このようなシーンでは「横滑り防止装置」を切って、エンジンの出力を増す必要があります。
このように、極めて限られたシチュエーションではあるものの、「横滑り防止装置」が悪い効果を発揮する状況があるため、OFFにするスイッチが備えられているのです。
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クルマが踊っているように見える「謎のスイッチ」は、クルマを安全走行させるために不可欠な機能を操作するものでした。
もちろん通常時にこの「横滑り防止装置」をOFFにするのは危険です。
特殊な状況を除き、「横滑りマークスイッチ」には触れないように注意して下さい。