都心に首都高の「新ルート」が誕生することになります。完成すれば、都心の交通流が大きく変動することになりますが、一体どのようなルートなのでしょうか。
■都心の地下トンネル その効果は
都心に首都高の「新ルート」が誕生することになります。
完成すれば、都心の交通流が大きく変動することになりますが、一体どのようなルートなのでしょうか。
整備が進んでいるのは「新京橋連絡路」という道路です。
ルートは、首都高八重洲線の丸の内から、都心環状線へ地下トンネルで直結するものです。
もともとここには地上高架の東京高速道路、通称「KK線」が通っていますが、こちらは廃止される予定です。
この「新京橋連絡路」は、都心環状線のルート変更という意味合いがあります。もともと都心環状線は竹橋JCTから「江戸橋JCT」を経由して京橋方面へ向かっていますが、江戸橋JCTのランプは廃止予定。「丸の内~京橋」経由に切り替えられることとなります。
なぜこんなルート変更をするかというと、現在首都高の橋梁が並ぶ日本橋川の上空区間をまるごと地下化するプロジェクトがあるからです。開通から60年以上経過し、老朽化した都心環状線を根本からリニューアルするのにあわせて、日本橋川に空を返そうというものです。そうなると、江戸橋JCTでは京橋方面へつなげるのが難しくなるのです。
また、八重洲線~KK線~汐留のルートは、現在大型車が通行できません。そのため江戸橋ランプ廃止後の代替ルートにはならないため、新京橋連結路の建設は必須だったのです。
新京橋連結路は片側1車線で建設される計画です。あまりにも小さすぎないかという声がありますが、実は都心環状線という名前ながらも、竹橋から京橋方面へ「環状移動」するクルマは、全体の2割もありません。
日本橋川区間の交通は、多くが6号向島線に直通し、箱崎JCT方面へ向かいます。江戸橋ランプをなくして丸の内経由にルート変更するのは、この箱崎方面の混雑を、少しでも緩和する目的もあります。
なお、新京橋連結路の開通とともに、周辺の出入口に変更があります。銀座一丁目から北行きへ入る「丸の内入口」が新設されます。都心環状線の南行き「京橋入口」が廃止となる代わりに、「新富町出口」が「新富町入口」へ切り替わります。
気になる進捗ですが、2024年6月18日、ついに事業着手となりました。完成は2035年度となっています。
首都高は今後、用地補償の説明会など、準備を進めていくとしています。
ちなみに、京橋~新橋~汐留をつなぐKK線は、数年後に全線廃止の予定で、高架道路の跡地は歩行者専用の空中緑道「Tokyo Sky Corridor」に生まれ変わります。今年のGWには「GINZA SKY WALK2024」が開催。KK線を全面通行止めにして、一足先に「廃止後のすがた」を歩行者が体験していました。