トヨタ「スターレット」のレース仕様が、2024年3月に開催されたレースに参戦しました。日本でもかつて販売されていた車種ですが、現在どのように進化しているのでしょうか。
■超スパルタンな「スターレット」がレースに参戦!
2024年3月にトヨタ「スターレット」をベースにカスタマイズされたモデルが、南アフリカで開催されたレース「Supa cup」に参戦しました。
かつて日本で販売されていたこのコンパクトハッチバックは、海外でどのように進化し、レースシーンで活躍しているのでしょうか。
スターレットは1973年に初代モデルが登場し、3ドアと5ドアが設定されました。
バリエーションがあり、そのコンパクトなボディと優れた性能から多くのファンを魅了したほか、モータースポーツでもサーキットレースをはじめ、ラリー、ジムカーナ、ダートトライアルなどに広く用いられた歴史があります。
しかし1999年に5代目の生産が終了し、日本市場から姿を消しました。
それから約20年後の2020年9月、南アフリカ市場でスターレットの名が復活しました。
この新しいスターレットは、スズキの5ドアハッチバック「バレーノ」のOEM車として登場し、旧モデルの名を継ぎながらも現代的なデザインと技術が取り入れられました。
また、2022年5月にはマイナーチェンジが行われ、さらなる進化を遂げました。
南アフリカ市場では、スターレット以外にも日本でかつて販売されていたモデルの名を持つ車両が次々と復活しています。
2021年10月にはスズキ「エルティガ」をベースにした「ルミオン」、2023年1月にはスズキ「セレリオ」のOEM車として「ヴィッツ」が登場するなど、日本の懐かしい車名が再び姿を現しています。
こうした復活を遂げた南アフリカのスターレットですが、トヨタのモータースポーツ部門であるToyota Gazoo Racing 南アフリカ(以下、TGR SA)によるモータースポーツ活動にも積極的に用いられています。
2022年5月にはラリー仕様のスターレットが発表され、そして2024年1月には新たなレース仕様が公開されました。
このレース仕様のスターレットは「Supa cup」に参戦するために特別にカスタマイズされたもので、車名は「GR STARLET」ではなく「Supa Cup STARLET」と命名されました。
この名称は、GRモデルではなくレース専用のモデルであることを強調しています。
なお、他メーカーの参加車両にはフォルクスワーゲン「ポロ」などがあり、Bセグメントのハッチバック車両を中心に激しい競争を繰り広げています。
Supa Cup STARLETは純正モデルとは異なり、専用のエアダクト付きボンネット、フロントバンパー、サイドスカート、オーバーフェンダー、そして大きなGTウイングを装備。
また、ブラックホイールにダンロップのSPORT MAXXタイヤを履くことで、さらにレーシングカーとしての存在感を高めています。
この特別仕様のスターレットは、2024年3月15日に南アフリカのケープタウンにあるキラーニーサーキットで行われたレースに出場し、熱いバトルを繰り広げました。
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日本では既に過去のモデルとなったスターレットですが、その名前が海外で新たな輝きを放っていることは、トヨタブランドの持つ普遍的な魅力を再確認させてくれるものです。
今後もスターレットがどのように進化し、レースシーンでどのような活躍を見せるのか、注目が集まります。