ヘッドライトは時間とともに黄ばんでいきます。なにか効果的な対処法はあるのでしょうか。
■なぜヘッドライトは黄ばみやすい?車検NGのおそれも
ヘッドライトは、夜間やトンネル内を走行する際、前方の視界を確保し安全を保つために必要不可欠なものです。
そんなヘッドライトですが、一部の車種などでは時間を重ねるとともに劣化によって黄ばみ、曇りが目立つようになってしまいます。
そもそも、なぜ黄ばみが目立ちやすくなってしまうのでしょうか。
その原因は、ヘッドライトカバーの素材にあります。
ヘッドライトカバーは、「ポリカーボネート」と呼ばれるプラスチックの素材でできています。
このポリカーボネードは、強度に優れ、事故による衝撃を受けてもガラスに比べ破片が飛び散りにくいというメリットがあります。
しかし、その一方で紫外線や熱には弱く、長時間浴び続けると劣化により変色してしまうという性質を持っています。
そのため、ヘッドライトはどうしても時間が経つと黄ばみやすくなってしまうのです。
そして、ヘッドライトが黄ばんだ状態だと見た目の悪さはもちろん、ライトの光が弱まってしまうおそれがあります。
道路交通法では、ライトの明るさについて一定の基準が設けられています。
その基準については、ハイビームの場合は「夜間にその前方100mの距離にある交通上の障害物を確認できる性能」、ロービームでは「夜間にその前方40mの距離にある交通上の障害物を確認できる性能」となっています。
そのため、ヘッドライトの黄ばみが悪化しすぎていると、車検に通らなくなる可能性も。
このような事態を避けるためにも、ヘッドライトの曇りが目立ってきた場合は、なんらかの処置をとる必要があります。
■黄ばみをどうにかしたい…!きれいにするための対処法とは
劣化により黄ばみや曇りが気になるヘッドライトですが、きれいな状態に戻すことはできるのでしょうか。
関東のカー用品店の担当者は、次のように話しています。
「多くのカー用品店ではヘッドライトクリーナーを取り扱っているので、それらを使用するとよいでしょう。
ヘッドライトクリーナーにはコンパウンドと呼ばれる研磨剤が含まれており、汚れやキズを消すことができます」
クリーナーに使われるコンパウンドは、傷や汚れがついた部分を削ることで表面を滑らかにし、きれいな見た目に修復する機能を果たしています。
さまざまなメーカーから販売されているので、クルマの状態や使いやすさに合わせたものを選ぶとよいでしょう。
カー用品店で1000円ほどで購入できるので、コストもそこまでかかりません。
黄ばみや傷の状態がひどくなければ、市販のものでも十分に効果があります。
ただし、曇りが悪化しているものである場合は、市販のものでは落ちきれないかもしれません。
その場合、カー用品店などにカーケアを依頼する、もしくはヘッドライト自体を交換することが推奨されます。
また、国産メーカーの販売店でもヘッドライトの研磨やコーティングに対応しているところもあるので、行きつけの店舗に相談してみるのもいいかもしれません。
一方で、ヘッドライトクリーナーでせっかくきれいにしても、日が経てばまた劣化によって黄ばんでしまいます。
そのため、黄ばみ自体を防止する措置が重要です。
これについて、前出の担当者は次のように話しています。
「ヘッドライトクリーナーのなかでも、黄ばみを落とすための洗剤だけが入っているものと、洗剤とコーティング剤がセットで入っているものの2種類がございます。
このコーティング剤というのはヘッドライトにとっての日焼け止めみたいなものです。
磨いてきれいな状態にしたとしても、日焼け止めを塗らなければまた紫外線により傷がついてしまいます」
コーティング剤は、ヘッドライトを紫外線から守る役割を果たしています。
そのため、長期的な目で見ると、クリーナーと同時にコーティング剤も使用するほうが有効だといえます。
ただし、そのコーティング自体も日数が経つごとに劣化していくので、こまめにケアをするのがよいでしょう。
※ ※ ※
ヘッドライトが黄ばんでいると、ライトの光がきちんと届かず、安全性に欠けてしまいます。さらに、車検で引っかかってしまうおそれも。
そのため、状態に合わせてこまめなケアを行うことが大切です。