自民総裁選に出馬する意向の小泉進次郎氏ですが、過去に市販化の実現を後押ししたいと太鼓判を押したクルマが存在します。一体どのようなクルマなのでしょうか。
■自民総裁選出馬の小泉進次郎氏が推す「謎のクルマ」とは?
2024年8月20日、複数の自民関係者への取材を通じて、自民党の小泉進次郎元環境相が、同年9月の自民総裁選に出馬する意向を周囲に伝えたことが分かりました。
そんな小泉氏ですが、環境大臣を担っていた時に、「市販化の実現を後押ししたい」と太鼓判を押したクルマがあります。
一体どのようなクルマなのでしょうか。
そのクルマとは、2019年の東京モーターショーで、環境省地球環境局のブースに展示された「NCV(Nano Cellulose Vehicle)」です。
同車は、環境問題の解決に向けた新素材の可能性を示す目的で製作されたコンセプトカーで、環境省による委託研究事業として2016年10月から開発がスタート。
2020年までに10%程度の軽量化を目標に、実際にクルマを製造してみようというプロジェクトのもと、京都大学を中心に東京大学やデンソー、豊田紡織、トヨタ自動車東日本、宇部興産、マクセル、産業技術総合研究所(産総研)など22の大学・企業・組織が結集して完成させたといいます。
NCVの最大の特徴は、ボディに植物由来の新素材「セルロースナノファイバー(CNF)」が用いられていることです。
CNFは鋼鉄の約5分の1の軽さで、強度は5倍以上という次世代の高機能素材であり、樹脂や金属、ガラスなどの代替品として注目されています。
NCVでは、ドアトリムやボンネット、ルーフパネルなどにCNFを使用することで、部品単体で約50%、クルマ全体で10%以上の軽量化を実現。
さらに、CNFは森林資源や農業廃棄物などの植物資源から作られ、カーボンニュートラルな特性を持つため、プラスチックの代替素材としての可能性も期待されています。
そんな木材が原料となっているNCVですが、エクステリアには、フェラーリやランボルギーニなどを彷彿させるスーパーカーのようなデザインを採用。
くわえて、上に跳ねあがるシザーズドアを採用するなど、その個性的なスタイルは、多くの来場者の注目を集めました。
イベント期間中には、小泉氏とともに日本自動車工業会の豊田章男会長(当時)も視察に訪れています。
ブース内では、オールCNF製のフロントフードを手で持ち上げ、その軽さを実感する姿も。
また「イノベーションの連鎖が生まれるよう後押ししていく」「私が乗る機会を実現してほしい」と、NCVをプロモーションしていました。