SNSで6輪ハイエースの画像が話題を呼んでいます。この一風変わったハイエースの正体は一体なんなのでしょうか。
■トヨタ「ハイエース」に6輪仕様なんてあったっけ?
仕事の相棒として、趣味の相棒として、様々なユーザーに支持されているトヨタ「ハイエース」。
2024年7月23日には、6輪を備えたハイエースの画像が「X」(旧Twitter)に投稿され、翌日までに1万を超える「いいね」がつけられました。
Xに投稿されたハイエースは、前半部分だけを見ればごく普通の現行型ハイエース。
しかし車両後方に目を移せば全長は明らかに長く、なにより後輪は前後にタイヤが並んでついている点が異様です。
この珍しい6輪ハイエースの投稿者にその時の様子をたずねたところ「千葉県柏市周辺で見かけました。第一印象は運転しづらそうなクルマだと思いました」と話しました。
ハイエースは業務から日常利用まで幅広く活用されており、企業の営業車や荷物の搬送車としてはもちろん、施設送迎車やジャンボタクシーとしての利用やキッチンカーや移動販売車、さらには救急車としても用いられます。
個人では、自転車やバイク、カートなどを搬送するためのトランスポーターとして活用したり、車中泊仕様やキャンパー仕様に改装して利用するのにも便利なクルマです。
こうしたさまざまな用途に対応できるよう、ハイエースには多くの仕様が用意されています。
ボディーサイズは、ロング(標準)/スーパーロング、ロールーフ/ハイルーフ、ナロー/ワイド仕様などが細かく分かれているうえ、生鮮食品販売等に向けた「冷凍/冷蔵バン仕様」や、幼稚園の送迎などで利用される「幼児専用車」といった純正特装車もラインナップしています。
しかし、いくら多様な仕様が用意されているハイエースとはいえ、6輪仕様は用意されていません。
Xに投稿された6輪ハイエースの正体は、恐らくカスタム業者が作成した特殊架装車と思われます。
6輪を備えたクルマは、軍用のような特殊用途向け車両として開発される例があります。また「バニング」と呼ばれるカスタムカテゴリーでは、6輪化は比較的人気のカスタムです。
この6輪ハイエースの投稿には、多くのコメントも寄せられており「はじめて見た」「かっこいい」「ダックスフントみたい」「ゲームのバグみたい」といった率直な感想。
6輪化に伴って延長されたボディを指して「ハイエースじゃないよ。ハイエーースだよ」といった、とんちを利かせたコメントもありました。
また「違法になるの?」とのコメントもありましたが、構造変更手続きの審査に通る状態であれば、おおよそどのようなクルマでも合法的に6輪化は可能です。
こうした特殊なカスタムを行う業者は全国に多数ありますが、そのどこかで特殊架装車の可能性が大。
その一例で直近では2020年に完成車販売価格570万円、5台限定で販売された個体もあったようです。