かつてホンダ ウェルカムプラザ青山で一時的に実車公開されていた、充電待ちいらずのEVコンセプトカー「MEV-VAN Concept」とは、一体どのようなクルマなのでしょうか。
■充電待ちゼロの次世代EV「MEV-VAN」とは?
2024年5月頃にホンダ本社ビル1階のショールーム「ホンダ ウェルカムプラザ青山」には、新型の軽商用バンのコンセプトカー「MEV-VAN Concept」が実車展示されていました。
同車は、軽商用バンの「N-VAN」ベースに開発されたEVとのことですが、一体どのようなクルマなのでしょうか。
2050年に全製品・企業活動を通じたカーボンニュートラルの実現を掲げるホンダは、2024年5月16日から22日までの期間、ホンダ ウェルカムプラザ青山にて「Honda SMART ENERGY展」を開催。
特別展示として複数の次世代モビリティが出展されていたなか、MEV-VAN Conceptはバッテリー交換ができるEVとして多くの注目を集めていました。
最大の特徴は、着脱式のバッテリー「Mobile Power Pack e:(モバイルパワーパック イー、以下MPP)」を使用しているところです。
MPPとは、様々な電動モビリティや機器の動力源として活用することを目的にホンダが開発したリチウムイオンバッテリーのことを示します。
MPP1個につき1.3kWh以上という大容量の電力を貯蔵する事が可能で、既に同社のビジネスバイク「BENLY e:」や「GYRO e:」などにも採用され、市販されています。
レイアウトとしては、N-VANの元々エンジンが入っていたスペースにモーターを搭載し、燃料タンクがあった床下部分はバッテリーユニットの置き場として、MPPを8個格納しました。
パワートレインの最高出力は14kW、最高速度は70km/hを記録し、8個のMPP全てを満充電した状態での航続可能距離は75kmと公表。
8個のMPPを充電するには約5時間かかるといいます。
なお、最大積載量は250kgです。
そんな画期的なシステムを搭載しているMEV-VAN Conceptですが、実際に同車を用いて、ホンダはヤマト運輸株式会社の協力のもと、2023年11月から集配業務における実証実験をおこなっています。
この実証実験を通じて、MPPを使用した電動モビリティの拡充と再生可能エネルギーの利用拡大を進めているとのことです。
なおMEV-VAN Conceptについて、ホンダは「コンセプトモデルのため、現在のところ発売予定は無い」と述べています。