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信号待ちの「思いやりライトオフ」実は「法律違反」かもしれない理由とは!? 危険を招かない「正しい思いやり」はどうすればいいのか

くるまのニュース 2024年8月22日 10時40分

夜、クルマを運転するときにはヘッドライトをつけることが法律で義務付けられています。しかし、信号待ちのときはヘッドライトを消す、という人もいるようです。これは違反にならないのでしょうか。

■信号待ちでヘッドライトを消すのは「思いやり」

 夜、クルマを運転するときにはヘッドライトをつけることが法律で義務付けられています。しかし、信号待ちのときはヘッドライトを消す、という人もいるようです。これは違反にならないのでしょうか。

 夜の道路を運転していると、信号待ちのときにヘッドライトを消しているクルマをちらほら見かけることがあります。

 大きな理由としてあげられるのは、対向車がライトの光を眩しく感じないように、気を遣って消している、というものです。

 実際にSNS上では「うちのクルマのLEDヘッドライトがなかなか光量あって、対向車に迷惑かなと思って信号待ちの間は消してる」「対向のクルマが登り傾斜だと眩しい」「自分のクルマ、LEDライトで正直眩しい」「ライトを付けたまま先頭で信号待ちをしていたら、対向の先頭クルマに何回もパッシングされた」などという声が見受けられます。

 とくに明度の高いLEDライトに関しては眩しいと感じる人が多く、ドライバー側も気を遣っているようです。

 これに似た現象として、「蒸発現象」というものがあります。自分のクルマのライトと対向車のライトが交錯する場所に歩行者がいると、光の乱反射によりその歩行者が見えなくなってしまう、というものです。

 雨の日にも起こりやすく、歩行者に気付けず事故につながるおそれも。
 
 このような視界不良によるトラブルを起こさせないために、信号待ちの間はヘッドライトを消しているという人が一定数いるようです。

 しかし、ヘッドライトの使用について、道路交通法第52条では「車両等は、夜間(…略…)、道路にあるときは、政令で定めるところにより、前照灯、車幅灯、尾灯その他の灯火をつけなければならない。政令で定める場合においては、夜間以外の時間にあっても、同様とする」と定められています。

 つまり、夜間の走行中は「必ずヘッドライト」を点けなくてはならないという内容になっているのです。

■信号待ちで「思いやりライトオフ」は結局「法律違反」なの?

 信号待ちのときにヘッドライトを消すのは対向車への配慮の気持ちがあるということが分かりましたが、この行為は違反に該当しないのでしょうか。

ヘッドライトどうすればいい?

 都内の警察署の担当者は、次のように話しています。

「基本的に、道路交通法にある通り、夜間の走行中はヘッドライトを点けていなくてはなりません。
 
 ただ、道路交通法第52条の2項目では、『車両等が、夜間(前項後段の場合を含む。)、他の車両等と行き違う場合又は他の車両等の直後を進行する場合において、他の車両等の交通を妨げるおそれがあるときは、車両等の運転者は、政令で定めるところにより、灯火を消し、灯火の光度を減ずる等灯火を操作しなければならない』とあります。

 カーブなど、見通しが悪い場所がこれに該当します。ただし、あくまで『灯火の光度を減ずる等』などの操作が必要となるとあるので、ライトを完全に消していいというわけではありません」

 やはり、信号待ちでもヘッドライトを付けておくのがベターなようです。

 しかし、他のクルマの通行を妨げる場合はライトの光度を調整しなくてはなりません。たとえば、ハイビーム(走行用前照灯)とロービーム(すれ違い用前照灯)の適度な使い分けが必要となります。

 ただし、夜間の走行中はハイビームにしておくのが基本です。ハイビームの方が照らす範囲が広く、事故防止への効力が強いとされています。

 対向車への配慮からヘッドライトを消すことがマナーとするような風潮がありますが、視界が悪くなり思わぬ事故やトラブルにつながる危険性があります。  

 自分自身の安全のためにも、夜間の走行中は信号待ちに関わらず基本はライトを付けたままにするよう心がけましょう。

 もし対向車への配慮をする場合は、ロービームに切り替えたり、スモールライトを活用したりして対応することが、ドライバーと周囲の双方にとってより安全と言えるでしょう。

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