住宅地ではときどき、信号機が付いていない上、住宅の塀や生け垣などによって左右の見通しが悪くなっている十字路・丁字路交差点が見られます。このような道路においては、車両同士が出会い頭に接触しないよう、優先道路でない方の道路に「一時停止」の道路標識と「停止線」を設置するのが一般的です。しかし一時停止線で止まった際に交差点の見通しが悪い場所がありますが、そのような場所では停止線を越えて止まるクルマも散見されます。一体どのように通行するのがベストなのでしょうか。
■SNSでは「あやうく事故に…」との声も
道路上には、一時停止線で止まった際に交差点の見通しが悪い場所があります。
そのような場所では停止線を越えて止まるクルマも散見されますが、一体どのように通行するのがベストなのでしょうか。
住宅地ではときどき、信号機が付いていない上、住宅の塀や生け垣などによって左右の見通しが悪くなっている十字路・丁字路交差点が見られます。
このような道路においては、車両同士が出会い頭に接触しないよう、優先道路でない方の道路に「一時停止」の道路標識と「停止線」を設置するのが一般的です。
また道路の形状によっては、一時停止の標識や停止線が交差点から少し離れている場合もあります。
その影響なのか、ドライバーの中には左右の見通しが悪いからといって停止線で止まらず、先を見通せる場所まで進行する人も散見されます。
SNS上では、クルマを運転するユーザーから「停止線がある側のクルマがスピードを出して通行してきて、危うくぶつかるところだった」という声。
対して歩行者からは「一時停止線ガン無視で突っ込んできたドライバーに轢かれかけた」などの体験談も寄せられました。
このように、停止線で止まらなければ車両や歩行者との接触事故を引き起こすおそれがあります。
では停止線で止まっても左右の見通しが悪い場合、クルマはどのように通行するのがベストなのでしょうか。
その答えとして、段階的に停止しながら通行することが挙げられます。X(旧Twitter)の新潟県警察交通部の公式アカウント「新潟県警察交通部『ひかるくんの交通安全』」(@ni_police_kotsu)では、過去に「3段階停止」での安全確認を推奨しています。
3段階停止とは「1.停止線で停止」、「2.見せる停止」、「3.確認の停止」というステップの通行方法で、まず1.のとおり停止線でしっかりと停止し、周囲の安全確認をおこないます。
次に少しずつ前進し、自分のクルマの存在を周囲に知らせて停止するのが2.です。
2.に関しては交差点の角にバンパーを揃えるようにして停止すると、優先道路側を走るクルマや歩行者から認識してもらいやすくなります。
そして最後に、左右の確認ができる位置まで進んで再び停止・安全確認することを3.の確認の停止といいます。
つまり停止線で止まった後にゆっくりと進行し、段階的に安全確認をすることで車両や歩行者との接触事故を防止できるといえるでしょう。
なお、2.と3.の運転をまとめて1ステップとし、「2段階停止」と呼ぶ場合もあります。
この段階的な安全確認についてSNS上においては「見通しの悪い十字路や丁字路では二段階停止するようにしている」「教習所で教えてくれたから当たり前だと思っていた。でもできていないドライバーも多い」との声が複数聞かれました。
実際のところ、車両の多くが一時停止線の手前で速度を落とすものの、しっかりと停止できている車両は意外に少ない状況がうかがえます。
一時停止とは法律の解釈上、車輪が完全に停止することを意味しており、たとえゆっくりしたスピードであっても停止線を越えれば一時不停止の違反に当たります。
さらに左右の見通しが悪いからといって停止線を越えて止まると、優先道路側から右左折してきた車両が通行しにくくなってしまう可能性も考えられます。
特に大型トラックなどは左折する際に大きく外側にふくらんで車線をはみ出してくることがあるため、きちんと停止線の手前で停止し、周囲の状況を確認してから進行するようにしましょう。
※ ※ ※
信号機のない見通しの悪い交差点においては、段階的に停止しながら安全確認をすることが重要です。
一時停止がある道路側の車両が注意するのはもちろんですが、優先道路側を走る車両や歩行者についても、「脇道からクルマが飛び出してくるかもしれない」という認識を持っておくと良いでしょう。