スズキのフラッグシップ船外機「DF350A」について、SNSなどでは驚きの声が寄せられています。
■スズキ「最強のV6」に驚愕
スズキは二輪・四輪車はよく知られているものの、こうしたエンジン製造の技術を活かしボート用のエンジンも手掛けています。
このうち、スズキとしては現在最大の排気量とパワーを誇るものもあり、SNSなどでは驚きの声が多く寄せられています。
スズキはオートバイや軽自動車などを製造するかたわら、1965年から本社工場で船外機(ボート用エンジン)の生産を開始。現在は湖西工場へ移転して中大型機の生産を続けており、1999年からはタイ子会社でも小型船外機を生産しています。
以後、日本を含めた174の国と地域で販売。2022年には累計生産台数400万台を達成し、船外機メーカーとしては世界トップレベルのシェアを誇ります。
さらに、海洋汚染の原因として知られるマイクロプラスチックを回収する装置を搭載した船外機も販売するなど、船外機メーカーとして水辺の環境改善にも取り組んでいます。
現在のラインナップは「パワフル」「ミドル」「ポータブル」と出力の異なる3タイプを展開。
このうちパワフルシリーズの「DF350A」は2017年から販売されているフラッグシップ船外機です。サイズは全長974mm×全幅563mm×全高1956-2083mmです。
パワーユニットは、最大出力350馬力を発揮する4.4リッターV型6気筒DOHC24バルブエンジンを搭載。スズキの船外機では初となる12.0の高圧縮比により、ラインナップ最大の出力を発生。
1気筒あたり2本の燃料噴射装置を装備したデュアルインジェクターや最適な燃焼室形状、可変バルブタイミング機構なども採用し優れた出力性能を実現します。
また、1機のエンジンで2枚のプロペラを反対方向に回転させ、加速性能や強い推進力を得られる「スズキ・デュアルプロップシステム」、オフセットドライブシャフトによる安定した操舵性の確保、低振動化も図っています。
機能面では、電子制御スロットルとコンピューター制御を採用し、燃費の改善と正確なコントロールを可能にしたほか、低回転時に一定速度域での走行を支援するスズキ・トロールモードシステム、キーレススタートシステムなどを備え、操船性も高めています。
エクステリアは、大きな「SUZUKI」エンブレムをあしらったほか、スポーティで躍動感のある先進的なスタイリング。次世代のスズキ船外機を象徴とする質感の高いものに仕上げています。カラー展開は、ブラックとシルバーの2種類です。
なお、スズキ マリン事業部の担当者によると、二輪・四輪車用のエンジンとの違いについて、「基本的には別物ですが、コスト低減のため、一部パーツを共有するなどの努力は行っています」と説明。
さまざまな二輪・四輪車を手掛けてきたスズキならではの技術が船外機にも大いに活かされているようです。
DF350Aの価格(消費税込み)は、421万3000円から423万5000円です。
※ ※ ※
このDF350Aについて、SNSなどではさまざまなユーザーからコメントが寄せられています。
「えっ、スズキのV6!?」「スズキにV6まだあったんか!」「V6で350馬力ってスズキとは思えない」「すごい」など、現在は主にコンパクトなモデルを展開するスズキが大排気量エンジンを現在も製造していることに驚く人が少なくないようです。
また、「スズキV6ってなんだと思ったら船外機かよ!」「エンジンはバイクやクルマだけじゃないもんな」と、二輪・四輪のイメージが強かったという意見も。
さらに「昔のエスクードを思い出しました」「大型モデルがない分(エンジンだけでも)魅力的に思える…」など、かつての「エスクード」など中級クラス以上のモデルを求める声なども見られます。