2024年7月25日、スズキは今秋発売予定の新型「フロンクス」を先行公開しました。スタイリッシュな外観デザインとマッチする上質な内装について詳しく解説します。
■高級感のあるインテリアデザインは「配色」がスゴイ
スズキは2024年7月25日、新型コンパクトクーペSUV「フロンクス」を先行公開しました。正式発売は今秋の予定です。
精悍なスタイリングが目をひきますが、高級感のあるインテリアデザインも見どころ十分です。そんな内装の印象について、試乗記ならぬ“使用記”を紹介します。
新型フロンクスは、すでにSNSなどでもクルマ好きの間で話題になっている一台です。
個性的で精悍な外観デザインが特徴ですが、インテリアデザインも細部までこだわり、力強さ、上質さ、洗練さを併せ持つ加飾や素材表現がなされています。
特にダッシュボード周りは、奥行きと、筋肉質のような力強さとたくましさを感じさせるデザインが特徴で、スポーティな躍動感があります。
シルバー塗装部分は、磨き上げられた金属のような仕上がりで、パールブラック塗装を施したサイドルーバーやドアとともに、洗練された印象と高級感を与えています。
今回、筆者(黒木美珠)が新型フロンクスを試乗した際、ドアの開閉に際して素敵な工夫を見つけることができました。
それは、ドアの開け閉めをする際に手をかけるドアポケット部分に、指がすっと入るような波打ったくびれが作られていることです。
これによりフィット感もあり、ドアの開閉も非常にスムーズでした。このように細部までユーザーの使いやすさにもこだわりを持って作られたクルマであることを実感しました。
内装の色はボルドーとブラックを基調としており、革とファブリックの2種類の素材を用いたコンビネーションです。
開発にたずさわったデザイナーにお話をうかがったところ、海外仕様の内装は同じボルドーでも、もう少し明るい色味になっているそうです。
日本仕様は落ち着きと高級感をイメージした控えめな配色でスポーティさと高級感を演出していて、精悍で個性的な外観とのマッチングも良好です。
実際に新型フロンクスの車内に座ってみると、光の当たり方によって茶色みが強く見えたり、赤みが強く見えたりと、見る時々によって同じボルドーでも雰囲気が変わって見えることが確認できました。
幅広い年齢層から支持を得られるカラーリングだと思います。
■シート形状の工夫で「かけ心地」と「広さ」を両立
シートは新作の形状を採用し、質感を高めるためにステッチなど細部にまでこだわっています。
座席は特に腰回りのホールド性、サポート性、フィット性に優れており、長時間の運転でも疲れにくくなっています。
筆者もテストコース上でプロトタイプの新型フロンクスを試乗しましたが、シートに魅力を感じました。
サイドサポートの高さは程よく、ドライバーには窮屈すぎない適度なフィット感があります。
また助手席に座ってみても、自然な体勢で乗っていられることを確認しました。
車両サイズはまだ明らかにされていませんが、先行発売されたインド仕様は全長3995mm×全幅1765mm×全高1550mmと発表されており、日本仕様もほぼ同等と予想できます。
数値上は思いのほかコンパクトですが、乗り込んでみると室内空間は広々としており、後席の足元にもゆとりがあります。
その広さを感じさせる要因として、フロントシートの厚みを薄くしている点が挙げられます。
薄くしているといっても形状の良さもあって貧相な感じはまったくなく、むしろ後部座席のスペースが広くなることで満足度が向上しています。
後部座席の中央部分は段差が少ないため、真ん中に座った人も狭さをあまり感じないでしょう。
フロントシート、リアシートどちらに座っても高い静粛性を感じることができ、会話の明瞭度も高く、ストレスなく会話を楽しむことができます。
遮音性を重視したダッシュパネル板厚設定や、吸遮音性に優れるPUR材の隔壁をフェンダー内に設定するなど、他にも様々な静粛性向上への工夫が施されています。
前述の通り、新型フロンクスの正式発売は2024年秋の予定です。
今後、詳細なスペックや価格などが明らかになっていくとのことなので、引き続き目が離せない1台となりそうです。