警察官が「免許証」の提示を求めた場合、その警察官は免許証の何を見てるのでしょうか。また巷で噂されている「12桁の数字」から分かる情報とはどのようなものなのでしょうか。
■警察官は免許証の何を見てるのでしょうか
クルマの運転中に交通違反をしたときや車両に異常があったときなどには、警察官から停止を求められることがあります。
その際には必ず警察官がドライバーの免許証を確認しますが、一体何をチェックしているのでしょうか。
クルマやバイクの運転中に交通違反をしたり、車両に不具合があったりした場合などに、警察官から停止を求められることがあります。
SNS上においては、警察官に止められた経験のあるドライバーから「チャイルドシートをちゃんと付けているかの確認だった」「飲酒検問で止められた」「ライトが切れかけているということで免許証を確認された」などの声が聞かれました。
このような場面では警察官がドライバーの運転免許証を確認しますが、一体どの部分を見ているのでしょうか。
まずドライバーが一時不停止や信号無視といった交通違反をした場合、警察官は交通反則告知書(いわゆる青切符)を作成します。
この青切符には違反者の氏名や生年月日、住所、免許証番号などを記載する欄があるため、切符を作成する上で必要なそれらの事項は必ずチェックするといえるでしょう。
次に、交通違反ではなく検問や車両の不具合などで止められた場合、警察官は免許証の有効期限や免許の種類などを見て交通違反がないかを確認します。
たとえば免許証の有効期限が切れていたり、ドライバーが取得していない免許の車両を運転していたりすれば無免許運転として検挙されます。
加えて警察官は、免許証の中央部分にある「免許の条件等」の欄についてもチェックしています。
なぜならドライバーが記載されている条件を守っていなかった場合、「免許条件違反」という交通違反に当たる可能性があるためです。
具体例としては「普通車はAT車に限る」といった記載があるのにMT車を運転したり、車両の運転中に眼鏡やコンタクトレンズを必要とする「眼鏡等」の条件が付いているにもかかわらず裸眼で運転したりする行為などが挙げられます。
なお道路交通法第67条 第2項によると、ドライバーが交通違反や交通事故を起こした場合、引き続き運転できるかどうかを確認するために必要であれば警察官がドライバーに対して免許証の提示を求めることができます。
さらに道路交通法第95条 第2項の決まりにより、上記のように違反や事故で警察官から免許証の提示を求められたときは免許証を見せなければいけません。
これを拒否すると罰則として5万円以下の罰金に処せられるおそれがあるため、注意しましょう。
■噂は本当? 「12桁」の免許証番号から分かる情報とは?
そのほかインターネット上においては「12桁の免許証番号から交通違反歴が分かる」「学科試験の点数がバレる」などのウワサがたびたび聞かれます。
結論から言うと、免許証番号(公安委員会番号)を見ただけで交通違反歴や学科試験の点数などが分かることはありません。ちなみに、免許証番号から分かる内容は次のとおりです。
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●免許証番号の1~2桁目
初めて免許を取得した都道府県公安委員会をあらわしている。東京都で取得した場合は「30」、愛知県ならば「54」、大阪府ならば「62」と表記される。
●3~4桁目
初めて免許を取得した西暦の下2桁をあらわしている。1976年に取得した場合は「76」、2011年ならば「11」と表記される。
●5~10桁目
各都道府県の公安委員会が、免許証の交付年ごとに管理している一連番号。
●11桁目
チェックデジットと呼ばれる、数字の入力ミスを検知するための番号。1~10桁目までの数字に基づいて「モジュラス11」という計算式で算出されている。
●12桁目
免許証の再交付を受けた回数をあらわしている。免許証を1回紛失した後に再交付を受けた場合は「1」と表記され、以降再交付の回数に応じて数字が増える。
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このように、免許証番号を見ただけで分かる情報は限定的です。
警察の活動を取り上げるテレビ番組では警察官が無線を使って交通違反歴を照会する場面が放映されることもあり、その影響により「免許証番号を見れば違反歴が分かる」といった誤ったウワサが流れるようになったのかもしれません。
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警察官は免許証のうち、有効期限や免許種別などの部分を重点的にチェックしています。
また準中型免許や普通免許を取って1年未満のドライバーの場合は、警察官の声かけによってクルマに初心者マークを付けない「初心運転者標識表示義務違反」が発覚するケースもあるため気をつけましょう。