スバル新型「インプレッサ」には3つのグレードがラインナップされますが、そのなかでも、「ST」は同車唯一のガソリン車として設定されています。どのような特徴があるのでしょうか。
■「インプレッサ ST」最廉価グレードでも装備が充実!?
スバル「インプレッサ」は、1992年から販売されている同社の主力モデルです。
これまではハッチバックとセダンがラインナップされていましたが、2023年に登場した現行モデルの6代目はハッチバックのみの展開となっています。
エクステリアはシャープでスポーティなデザインで、力強さと安定感を表現。内装はカジュアルな雰囲気のデザインを採用しつつ、大型センターインフォメーションディスプレイを装備するなど、使い勝手の良いインテリアとしました。
ラゲッジルームの開口部の最大幅は1042mm、高さ706mmで荷物の出し入れがしやすいのもインプレッサの特徴。
後席は6:4分割可倒式とすることで、用途に合わせて荷室のアレンジが可能となり、大きいものや長いものも楽に積むことができます。
さらに、ドライバーも同乗者も快適に感じられる工夫が多く見られ、骨盤を支えるように設計された新開発のフロントシートを採用。上半身の揺れを抑える構造とすることで、長時間乗っても疲れにくく酔いにくいシートとなっています。
また、ルーフ部分に振動を吸収して抑える接着剤を採用することで、ドライブ中に響く不快な振動や音を減らし、静かな室内空間で快適な乗り心地を楽しむことができます。
インプレッサのプラットフォームは、5代目モデル(先代)に採用された「SGP(スバルグローバルプラットフォーム)」を継承しながら、フルインナーフレーム構造や構造接着剤の適用拡大や、サスペンション取り付け部の剛性アップなどを実施し、高いレベルの動的質感を実現しました。
パワーユニットは、スバル独自の軽量・コンパクト・低重心な水平対向エンジンを搭載。2リッターガソリンに加え、同エンジとモーターを組み合わせた「e-BOXER」(ハイブリッド)は、モーターアシストを活用する専用制御も備えています。
駆動方式は、クルマの基本パーツを左右対称で一直線に配置することで、低重心と優れた重量バランスを実現するスバル独自の「シンメトリカルAWD」(全輪駆動)に加え、FWD(前輪駆動)も設定され、幅広いユーザーのニーズに応えます。
そんなインプレッサには、「ST」「ST-G」「ST-H」の3つのグレードが用意されています。ST-GとST-Hはe-BOXERを搭載したハイブリッド車、STは唯一の“非ハイブリッド車”となっています。
このガソリン車のSTは、229万9000円(FWD)から(消費税込)という、インプレッサのなかで最も安い価格を実現しているのですが、装備内容はかなり充実。
外観は、ブラック塗装のフロントグリルバーやLEDハイ&ロービームランプは中間グレードのST-Gと同じ、アルミホイール(17インチ)も同様のデザインですが、ST-Gはダークメタリック塗装、STはシルバー塗装です。
一方、ST-Gに備わるサイドシルスポイラーやフォグランプ、シャークフィンアンテナはSTには装着されず、シンプルな外観を実現しました。
STはインテリアもシンプルな仕立てとなっており、ハンドルやシフトパネルに華美な加飾はなく、シートはファブリックにシルバーステッチを施しています。
シートの調整は手動でおこないますが、シートヒーターはオプションで選択することが可能です。
また、オーディオレス仕様となっているものの、11.6インチ大型ディスプレイがメーカーオプションとして設定されています。
シンプルながら必要十分な装備が盛り込まれたSTですが、安全機能は万全で、先進運転支援システムは3眼カメラを採用する最新の「アイサイト」を搭載。歴代アイサイトで“最高の性能”を実現したといいます。
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唯一のガソリン車であるSTは、e-BOXER車よりも車重が約150kg軽く、軽快な走りが楽しめます。
ハンドル奥に備わるパドルシフトにより、スポーティな走ることができるのもSTの魅力だといえるでしょう。
インプレッサの初期受注では26%の購入者がこのSTを選択するなど、シンプルな最廉価グレードが一定の支持を得ているようです。