地域やガソリンスタンドによってガソリン価格が異なるのは一体なぜなのでしょうか。
■ガソリンの価格差が生まれる理由とは?
自分が住んでいる地域ではリッター160円台後半なのに、別の地域では170円台半ばであるなど、地域によるガソリンの価格差を感じたことがある人も多いことでしょう。
また、同じ地域内でもガソリンスタンドによって微妙に価格が変わります。
なぜガソリンの価格は地域やお店によって異なるのでしょうか。
ガソリン価格の内訳は「ガソリン本体の価値」に「石油製品関税」「石油石炭税」「ガソリン税」「環境税」「消費税」を加えたもので、比率はガソリン本体が6割、税金が4割といわれています。
なかでも「ガソリン本体の価値」は、原油価格や為替レートの変動に大きく影響するのが特徴です。
例えば、原油価格の上昇や円安によって原油調達によりお金が必要になると、ガソリン本体の価格も高くなります。
また原油の輸出量が減るといった、供給量の減少が原因で価格が高騰することもあります。
くわえて、税制度の変更や補助金の有無も関係しています。
上記のようにガソリンにはさまざまな税金が掛けられていますが、税率が変われば値段も変わります。
例えば、消費税は最初3%でしたが、その後5%、8%と上がり、2019年には10%になりました。
ほかにも、地域やガソリンスタンドによっても価格が変わります。
ガソリンスタンドのスタッフに聞いたところ、「ガソリンスタンドでの販売価格は、スタンドまでの輸送費と競合店舗との兼ね合い、他にはスタンドの人件費といった様々な要素が関係している」とのこと。
ガソリンなどの石油製品は、原油輸入後に製油所で精製され、次に中継基地である油槽所へと運ばれます。
そこから、タンクローリーなどで全国のガソリンスタンドへと届けられる仕組みです。
油槽所から遠い場所に届ける場合は輸送費が高くなるため、ガソリンの価格も比例して高くなります。
山間部や離島のガソリンが高いのはこのためです。
また、ガソリンスタンドの数が多いエリアでは、価格競争が行われるため、ガソリンスタンドが少ないエリアと比べて値段が下がる傾向にあります。
特に油槽所から近くガソリンスタンドが多いエリアでは、他の地域よりもガソリン価格が安くなります。
ほかにも、有人のガソリンスタンドとセルフスタンドでは大きく値段が違うように、人件費もガソリンの価格に大きく影響する要素です。
高速道路のガソリンスタンドは、レギュラーでも200円以上という店が珍しくありません。
これは「輸送コストがかかる」「競合店舗がない」「有人のため人件費がかかる」というトリプルコンボが成立しているからです。
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2024年8月28日現在、レギュラーガソリンの全国平均価格は170.5円となっています。
この平均価格と照らし合わせて極端に高いまたは安いという場合、今回紹介した「ガソリンの値段を左右する要素」が揃っているのかもしれません。