トヨタ「アルファード」は日本のみならずアジアでも人気のモデルですが、中国では「ミニ・アルファード」と言える驚きのモデルが登場し、大きく話題となりました。
■軽自動車の「アルファード」だと!?
いまや高級ミニバンの代名詞と言えるトヨタ「アルファード」。
日本のみならずアジアでも高い人気を集める同車ですが、中国では「ミニ・アルファード」と言えそうな衝撃的なモデルが登場し、SNSでも話題となりました。
先述のように、アルファードは日本を含むアジア地域で人気のクルマですが、日本で生産されるモデルのため海外では輸入車扱いとなり、例えば中国だと関税が課税されると日本円にして約2000万円という高価格モデルとなっています。
さらにディーラーが独自に優先納車をするための上乗せ価格を設定するなど、金額は上乗せされた結果、最終的な販売価格が約2500万円に上ることも。
そのため中国の自動車メーカーからは、アルファードの人気にあやかったような、デザインを真似た大型ミニバンが後発モデルとして多数登場しています。
しかし、ついに軽自動車のようなコンパクトサイズのクルマにもアルファード似のモデルが登場し、現地でも驚きを持って迎え入れられました。
それが、未奥汽車の開発したコンパクトカー「BOMA」です。
BOMAのデザインは、グリル、フォグランプベゼル、ヘッドライトの造形まで先代アルファードにソックリそのまま。
たとえクルマに詳しい人であっても、フロントフェイスの写真だけを見たらアルファードだと勘違いしてしまうほど似せています。
ただしBOMAのボディサイズは圧倒的に小さく、全長3517mm×全幅1495mm×全高1660mm。
先代アルファードのボディサイズ、全長4945mm-4950mm×全幅1850mm×全高1935mm-1950mと比較するまでもない、ほぼ軽自動車のサイズです。
さらに、フロントフェイス以外はアルファードに似ておらず、むしろボディサイドからリアにかけての造形は日産の軽自動車「デイズ」そのまま。
プレスラインまでもそっくりに合わせており、アルファードの顔とデイズの体を融合させるという奇妙なアイデアを、見事に現実のモデルとしてまとめ上げています。
そんなBOMAは電動自動車(EV)で、パワートレインには出力40馬力のモーターを搭載。バッテリー容量は11.9kWhと18.5kWhの2種類で、航続距離はそれぞれ130kmと200kmとのこと。
衝撃的な外装ばかりに目が行ってしまいますが、実は思いのほか高い実用性を確保していました。
このように良くも悪くも注目を集めてしまったBOMAですが、やはりあまりにもアルファードやデイズに似すぎていると国内外から指摘されたためか、2024年3月には外装をマイナーチェンジ。
EVらしいグリルレス風のデザインに変更されたほか、カラフルなボディカラーを採用し、新たな個性を発揮しようとしています。
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このBOMAは日本でもSNSなどで話題となり、「これCGじゃないの!?」「著作権という概念は無いのか?」「なぜアルファードとデイズを混ぜようと思った…」「もうオリジナルのデザインで作った方が絶対に楽でしょ!」など、驚きの声とともに壮絶なツッコミが見られます。
また「中国は昔から“優れたものは模倣していい”って文化があるからね」「作っちゃったメーカーは問題だけど、国内で批判が出て自浄作用が働いているのは救い」「中国は何かに似たクルマがたくさん走ってて観光に行ったときに楽しみではある」といった、中国特有の文化的な側面にふれるコメントも。
そのほか、「日本でもこんな軽自動車が出れば売れそう」と国内メーカーからの登場を求める声や、「日本も昔は欧米のデザインを参考にしてたから文句言えないわ」「でも最近は逆に欧州車が日本車をモノマネしてるときあるよ」「海外からも憧れられて真似したくなる存在になったことをアルファードの開発者は誇って良い」など、日本車が世界から真似られる立場になったことを感慨深くとらえた投稿も多くありました。