かつて放映された伝説の刑事ドラマ「西部警察」では、スーパーマシンの活躍も見どころの1つでした。そんななかでも特に華やかだった「スーパーZ」について紹介します。
■西部警察を彩った「スーパーZ」とは?
「西部警察」は1979年から1984年にかけて放映された刑事ドラマで、派手な銃撃戦や爆破シーン、激しいカーアクションで多くの視聴者を魅了しました。
なかでも特にひと際目立っていたのが、大門刑事部長(演:渡哲也)が愛用していた劇中車「スーパーZ」です。
一体どのようなクルマなのでしょうか。
西部警察は、毎週日曜午後8時に放映され、関東地区では平均視聴率14.5%を記録するなど、非常に人気の高いドラマでした。
石原裕次郎さんや舘ひろしさん、寺尾聰さんなどの豪華キャストが出演し、彼らが演じる魅力的なキャラクターとダイナミックなアクションシーンが大きな見どころです。
なかでも渡哲也さん演じる大門刑事部長は、短髪にサングラス、そしてブルーのスリーピーススーツを纏うダンディなスタイルで、部下から「団長」と呼ばれ親しまれていました。
そして、このドラマのもう1つの主役ともいえるのが、日産が全面協力したスーパーマシンの数々です。
「セドリック」に「マシンX」、「マシンRS」や「スーパーZ」などの多彩な車両が登場し、巨悪に立ち向かう刑事たちの活動を支えました。
なかでもスーパーZは、その特徴的な外観と機能で、多くのファンの心を掴みました。
スーパーZは、2代目フェアレディZ(S130型)の後期モデル「280 Tバールーフ 2by2」をベースに各所カスタムが施されており、なかでも油圧で上方に開くガルウィングドアが最大の特徴です。
このドアは見た目のインパクトが強く、乗り降りの際や走行中のアクションを容易にするために改造されたものでした。
ツートンカラーのゴールドとブラックの外装もまた、視覚的な魅力を高めています。
フロントには催涙弾発射装置や可動式サーチライトなどの特殊装備も施されており、まさに走る戦車のような存在でした。
またリアバンパー下からは5本の管が出ており、そのうちの1本が排気管で、他は「スカンク」と呼ばれる煙幕発生装置として機能します。
さらにルーフには赤色回転灯、ルーバータイプのクォーターウィンドウ、そして当時市販車では珍しかったドアミラーも装備されていました。
なお、パワートレインは最高出力155ps・最大トルク23.5kgmの2.8リッター直列6気筒「L28E」型エンジンにチューニングを施し、最高速度は250km/hという設定になっています。
トランスミッションは渡哲也さんがMT車の運転が苦手ということもあり、3速AT車が選択されたとのことです。
このスーパーZは大門専用車として登場しましたが、劇中では舘ひろしさん演じる鳩村英次刑事や、柴俊夫さん演じる山県新之助刑事、峰竜太さん演じる平尾一兵刑事も運転するシーンが見られます。
これらのシーンではスーパーZの俊敏な動きとともに、車上からの銃撃戦など、緊迫感溢れるアクションが展開されました。
特にパートIIの第14話「マシンZ・白昼の対決」では、スーパーZの“ニセモノ”が登場し、富士スピードウェイでのバトルシーンが繰り広げられる人気回となっており、現在でも話題の種になるほど、ファンの記憶に色濃く残っています。
このように西部警察とスーパーZは、昭和の時代を彩る象徴的な存在として、今もなお多くの人々に愛されています。
その独自の魅力とエンターテインメント性は、これからも語り継がれていくことでしょう。