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約90万円! 5速MT×FRで「ほぼ“スポーツカー”」な「ダイハツ車」!? 新車“最安級”のめちゃ楽しそうな「タフモデル」! プリミティブな「ハイゼットトラック」の「凄さ」とは

くるまのニュース 2024年8月30日 8時10分

90万円台で買える新車、ダイハツ「ハイゼット トラック」を紹介。ミニマルながらもプリミティブな魅力に迫ります。

■90万円台で買えちゃう「プリミティブ」な新車!?

 ここのところのニュースといえば、物価高や値上げの話ばかりでうんざりしている方が多いことでしょう。クルマもしかりで、一部改良のプレスリリースは、値上げのリリースになっていることも珍しくありません。
 
 しかし「新車は高い」と嘆きあきらめているそんなあなたに、100万円を切る新車をご紹介します。

 今、車両価格が最も安いクルマとして筆者(佐藤 亨)がオススメしたいのは、ダイハツの軽トラ「ハイゼット トラック」のエントリーグレード「スタンダード」のスマートアシスト非装着車(2WD/5速MT)で、90万2000円(消費税込み、以下同)です。

 その次に安いのが、同グレードのスマートアシスト装着車で96万8000円となりますが、いずれも新車価格100万円を余裕で切っています。

 衝突回避支援などの先進安全技術をパッケージングした「スマートアシスト(通称:スマアシ)」非装着車をわざわざエントリーグレードに設定しているのは、公道をほとんど走行しない農林水産業や土木工事用、施設維持管理用などの需要に対応したものです。

 またスマートアシスト非装着車だけに、「エアコンレス」の82500円引きというメーカーオプションが設定されているのは、少ないが必要とされる需要に対応した証でもあります。

 とはいえ、公道メインの走行ならスマートアシスト装着車が推奨されます。

 ちなみにハイゼットのOEM車、スバル「サンバートラック」、トヨタ「ピクシス トラック」には、スマートアシスト非装着車の設定がありません。

 なおサンバートラックのエントリーグレード「TB」(2WD・5速MT)は、ハイゼット トラックと同じ96万8000円です。

 軽トラが新車の中で一番安くなるのは、必要最低限の装備でも問題ない上、2人乗りのキャビンと荷台というシンプルな設計で、使用される部品やパネルなどの構造物の量が少ないためです。

 ちなみにハイゼット トラックのライバル車、スズキ「キャリイ」で最も安いグレード「KCエアコン・パワステ」(2WD・5速MT)が111万7600円と、比較的価格差があります(グレード名に「エアコン・パワステ」を入れてアピールされていることにもシビレてしまいます)。

 また現在の軽トラは、実質上ダイハツとスズキの2モデルしか存在せず、他メーカーはそのいずれかからのOEM供給を受けているという状況です。

■超軽量ボディをMTで駆る楽しさ!

 それでは、ダイハツ「ハイゼット トラック スタンダード」の装備を見ていきましょう。

 公式HPにある主要装備一覧表を見てみると、当たり前の装備にも仰々しく「標準装備」の色付けがされていることに驚きます。

上級仕様ならディスプレイオーディオなどの快適装備も充実! ボディカラーの選択肢も多く用意されています

 例えば「フロントルームランプ」やダッシュボードの「アッパートレイ」。

 インパネにコンビニ袋などが引っかけられる「ショッピングフック」が全車標準装備となっているのですが、もはやこれが豪華装備の1つに見えてきます。

 パワーウインドウについての記載は装備一覧表にないと思いきや、表の下にパックオプション「省力パック」に含まれていました。

 このメーカーオプションパッケージングには、そのほかキーフリーシステム、プッシュボタン式エンジンスタートボタン、パワードアロックなどがあり、価格は6万6000円となっていました。

 しかし軽トラにそのような装備は果たして必要かどうか疑問です。

 パワーウインドウはなくてもそもそも開閉の機会は少ないですし、助手席側のウインドウの開け閉めは、小柄でなければ腕を伸ばせばハンドルを回せます。

 ミニマルな装備は、故障リスクの低減化させることにも貢献します。

 5速マニュアルというのもミニマルな装備の軽トラに似つかわしいトランスミッションではありませんか。

 キーをシリンダーに差し込んでドアロックを解除し、キーをひねってエンジンを掛け、ギアシフトは手足を使って変更するという「すべて手動」は、プリミティブ(素朴・原始的)なカーライフを満喫させてくれます。

 また、車両重量820kg(スタンダード・2WD・5速MT)という軽いボディは、ドライビング・プレジャーをさらに高めてくれます。

 アクセル全開で加速しても、速度制限をオーバーしないシーンは多々あります。

 レッドゾーン直前まできっちり回して(おっと、タコメーターは付いていませんでした)シフトアップは爽快そのものです。難しいシフトダウンを決めたときは、ちょっとニンマリしてしまうでしょう。

 軽自動車ならではの維持費の安さも特筆すべきポイントです。

 普通貨物車では新車登録後最初の2年以降は毎年の車検となりますが、軽貨物は2年。高速道路の通行料金も恩恵が受けられます。

 意外に知られていないのが、リセールバリューの高さです。

 中古車情報サイトを見ればわかりますが、低年式・低走行車の軽トラは新車価格と大きな開きがありません。丁寧に乗れば、次の買い換えのときにも有利ですし、中古車を買うより新車を買ったほうがおトクになるケースが多々出てきます。

 最近では、軽トラの荷台に載せる「キャンピングシェル」が密かに人気を集めているようで、いくつものビルダーが新製品を出しています。中には、DIYでシェルを自作する強者も多数出てきているほどです。

 そんな夢もある軽トラは、ミニマムでプリミティブで実用的なスポーツカーと言えます。

 ストイックさも感じるスポーツカー然ではありますが、軽トラのあるライフスタイルはなんだか充実しそうではありませんか。

 繰り返し申し上げます。そんなクルマが新車価格90万円台で手に入ります。

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