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スズキが最強「FRスポーツカー」公開してた! 超ロングノーズに爆速「“隼”エンジン」搭載! ガルウイングまで採用した「ド派手イエロー」モデルとは

くるまのニュース 2024年8月30日 11時50分

かつてスズキが公開していた、「隼プロトタイプ」というスポーツカーのコンセプトモデル。同車は一体どのようなクルマだったのでしょうか。

■スズキが公開した最強「FRスポーツカー」とは

 かつてスズキは「東京オートサロン2002」で、「隼プロトタイプ」という魅力的なスポーツカーのコンセプトモデルを初公開していました。
 
 この隼プロトタイプとは、一体どのようなクルマだったのでしょうか。

 隼プロトタイプは、当時スズキのモータースポーツ部門だった「スズキスポーツ(現:モンスタースポーツ)」が開発した、ライトウェイトスポーツカーです。

 同車のベースになっているのは、同じくスズキスポーツが過去に製造していた「フォーミュラ・スズキ隼」というレーシングカー。

 このフォーミュラ・スズキ隼は2002年に市販がスタートし、「全日本ジムカーナ選手権」というモータースポーツの主力車両として長らく活躍しました。

 さらに、参加者全員がフォーミュラ・スズキ隼に搭乗する「スズキスポーツカップ・ワンメイクレースシリーズ」というレースも2006年まで行われ、それを見たユーザーから「こんなクルマが公道で走りたい!」という声が上がります。

 そんな声に応えるべく、フォーミュラ・スズキ隼の公道走行用モデルとして開発されたのが、今回取り上げる隼プロトタイプです。

 隼プロトタイプの開発はスズキスポーツが担当し、ベース車の優れた走行性能やデザインを活かしながら、公道を走れるクルマとして成立させています。

 その最大の特徴は、「GSX-R1300隼」という、スズキ最速の輸出用バイクに搭載されている、パワフルなエンジンを採用している点。

 また車体の軽さも特筆で、一般的なライトウェイトスポーツカーの重量が1000kg前後となるなか、隼プロトタイプの車重は約半分の550kgしかありません。

 先述したバイク用エンジンの性能とハンドリング性能を最大限に活かすには、軽量化が必須だったことから、このような極端な軽量化が実施されたといいます。

 そのほかシャシや車体は、フルオリジナル設計にスズキの純正部品を組み合わせたもので、低コストでありながらオリジナリティの高いクルマを実現させました。

 こうして完成した隼プロトタイプのボディサイズは、全長3790mm×全幅1760mm×全高1100mm、ホイールベースは2200mm。

 ワイドな全幅と恐ろしく低い全高が、同車の基本がレーシングカーであることを物語る、極めてスポーティなスペックです。

 エクステリアでは、乗り降りのしやすさを求めて採用したガルウィングドアが目を引きます。

 スズキのスポーツモデルらしい黄色のボディカラーをまとう車体は、カーボンファイバーを使用したFRP製となっており、スズキスポーツ工場内のムービングベルト式風洞施設でテストを繰り返して、空力特性に優れたデザインに開発されました。

 また、平らな床から滑らかに上がったテール形状も空力特性を計算して作ったもの。

 インテリアはシンプルなデザインとし、メーター類が美しいレーシーな空間です。

 パワーユニットには、最大出力175馬力・最大トルク138Nmを発揮する1.3リッターエンジンをフロントに搭載し、駆動方式は後輪駆動となっています。

 一方で、先進安全装備は一切採用されていませんが、フレームはスズキ本社の協力を得て衝突性能のシミュレーションと解析を行い、安全性を高めました。

※ ※ ※

 このように、通常では考えられないような大幅な軽量化にも成功し、ユーザーの声に応えて作り出された夢のクルマ、隼プロトタイプ。

 初公開から22年が経過した現在も市販化はされておらず、さすがに今後発売することはほぼ無いかと思われますが、公道を走る一歩手前まで開発が進められたことは、多くのユーザーにワクワク感を与えました。

 クルマやバイク、レーシングカーや船外機の開発など、スズキが幅広い事業で培った技術の結集として、再び隼プロトタイプのような夢のある新型モデルが登場しないか、クルマ好きの一人として期待せずにはいられません。

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