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店内放送「ヘッドライトが点灯しております」なんのため? 実は「クルマを守る」重要な役割あった! “ライト類の消し忘れ”を知らせる理由は?

くるまのニュース 2024年8月30日 14時50分

ショッピングモールで買い物をしていると、まれに「おクルマのライトが点いております」という店内放送を聞くことがあります。なぜ、このようなアナウンスを流しているのでしょうか。

■「ライト類が消し忘れ」放置するとどうなる?

 大型ショッピングモールなどの商業施設は駐車場も広いため、クルマで買い物に訪れる人も多いことでしょう。
 
 そのなかで、たまにヘッドライトやルームランプを点けっぱなしにしたままクルマから離れてしまうケースがあります。
 
 このような場合、「〇〇のおクルマでお越しのお客さま、ライトが点いております。おクルマまでお戻り下さい」という風に、該当車両の種類とナンバーとともにライト類を消し忘れていることがアナウンスで伝えられます。
 
 しかし、なぜわざわざ店内放送を使って知らせる必要があるのでしょうか。

 関東にあるショッピングモールの従業員は次のように話します。

「ヘッドライト等がずっと点きっぱなしの状態になってしまいますと、ゆくゆくバッテリーが上がってしまうおそれがあります。

 そのため、当店ではトラブルを事前に防止するためにもアナウンスを実施させていただいております。

 おそらく、どの店舗でも同じような理由でアナウンスをしていると思われます」

 クルマに搭載されているバッテリーの電力が尽きてしまった状態のことをバッテリー上がりと呼びますが、この状態に陥ると、エアコンや各種ライト類、カーナビやワイパーなどその他の部品も動作が遅くなったりなどの影響が出るのにくわえて、最悪の場合エンジンがかからなくなることもあります。

 そんなバッテリー上がりの原因として多いのが、ライトの消し忘れです。

 エンジンをかけている状態では、発電機(オルタネーター)が稼働しているため、ハザードランプやヘッドライトなどの電装品を使用した状態でも、発電が行われ続けています。

 しかしエンジンを切ってしまうと、発電機は稼働しません。

 そのため、ライトを点けっぱなしにしていると、余分にバッテリーの電力が消費され、過放電状態となってしまい、バッテリー上がりのリスクが高くなるというわけです。

 そうなるのを防ぐために、ショッピングモールなどの商業施設では、巡回の警備員や他のお客さんからライトが点けっぱなしにされているクルマについての報告を受けると、店内放送で持ち主に知らせるようにしているとのことでした。

 では実際に、駐車場でバッテリー上がりを起こしてしまう人は多いのでしょうか。

 前出の従業員はこう話しています。

「こちら側からアナウンスを通して積極的に呼びかけをしていますので、そこまで多く発生している訳ではございません。

 ただ、毎年ある程度バッテリー上がりを起こすお客様はいらっしゃいます」

 商業施設の駐車場でバッテリー上がりを起こしてしまうという事例は、決して多くはないものの、珍しいことでもないようです。

 そのため、施設側は積極的な巡回・喚起を行っているとのことでした。

 また、ライトのつけっぱなしは、バッテリーの寿命を縮めるだけでなく、ライトの光の眩しさによって、他のドライバーの視界を妨げるという恐れもあります。

 クルマを降りる際は、ライト類の消し忘れに十分気をつける必要があるといえるでしょう。

■万が一バッテリー上がりに陥ってしまったらどうすればいい?

 それでも万が一、商業施設の駐車場でバッテリーを起こしてしまった場合について、前出の従業員はこう話しています。
 
「基本的に、当店ではバッテリー上がりを起きた場合は、お客様自身で対応していただくようにしております」
 
 場所にもよりますが、通常は自分自身での対応が必要となるようです。
 
 それでは、バッテリー上がりの状態に陥ったとき、どのような対処をすればよいのでしょうか。

救援車とつないでエンジンを始動させるジャンプスタート

 バッテリー上がりが起きると、メーター上で赤い警告灯が点灯されます。

 こうなると、エンジンを回すことができません。

 一時的な対処として、他のクルマから電力を分けてもらうことができます。

 これはブースターケーブルを2台のクルマに繋ぐことで行います。

 ブースターケーブルは赤いコードと黒いコードの2本でセットとなっており、赤い方のコードがプラス端子、黒の方がマイナス端子を繋げるものです。

 処置の手順としては、まず、バッテリーが上がったクルマのプラス端子に赤いコードを繋ぎ、次に同じ赤いコードを電力供給する側のクルマ(救援車)のプラス端子に繋ぎます。

 その後、黒い方のコードを先に救援車のマイナス端子に繋げ、バッテリーが上がったクルマのエンジンルーム内の金属部分につなげます。

 安全に電気の供給を行うためにも、上記の順番はしっかり守るようにしましょう。

 ただし、これはあくまで単に電力が尽きただけでバッテリー自体には問題がない場合に有効な手段です。

 バッテリーの寿命は2年から3年といわれており、劣化によって故障が起きて突如クルマが動かせなくなる場合もあります。

 そのため、1ヶ月に1回はバッテリーの点検を行うのが理想的です。

 なお、二次被害を防ぐためにも、バッテリー上がりをはじめクルマにトラブルや異変が起きた時は、速やかにJAFなどのロードサービスを呼ぶ方がよいかもしれません。

※ ※ ※

 商業施設でたまに流れる「おクルマのランプが点いております」というアナウンスは、クルマのバッテリートラブルを防ぐために重要な役割を果たしています。

 エンジンを停止した状態でライト類を点けたままにしていると、過放電状態となりバッテリー上がりが起こりやすくなります。

 また、ライトを点けたままにしていると他のお客さんの視界を妨げるおそれもあるため、お互いの安全のためにもライトの点けっぱなしには気をつけるようにしましょう。

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