ホンダは2024年5月16日に、「操る楽しさを際立たせた小型EV」を市販化するという計画をアナウンスしています。一体どのようなモデルになるのでしょうか。
■ホンダが「運転の楽しいクルマ」発売へ!
2024年5月16日にホンダは、クルマの電動化に向けた取り組みの方向性と財務戦略について説明し、今後のEV(電気自動車)戦略を発表。
操る楽しさを際立たせた小型EVや軽乗用EVなどを順次投入することや、新型EVである「ホンダ0シリーズ」を2026年に北米で発売するといった計画を示しました。
この「操る楽しさを際立たせた小型EV」とはどのようなクルマになるのか、過去に発表されたモデルから推察します。
ホンダのEVといえば、日本国内でも2020年に発売された「ホンダe」が記憶に新しいですが、同車はすでに生産、販売ともに終了。
現在のところ、新車のラインナップとしては、EVは販売されていません。
ホンダeが販売終了した理由は、単純に販売状況がかんばしくなかったからだといいますが、このホンダeのベースになったのは、「東京モーターショー2017」で出展された「アーバンEVコンセプト」というコンセプトカーでした。
そしてこの東京モーターショー2017では、アーバンEVコンセプトと同時に「スポーツEVコンセプト」という魅力的なスポーツカーのコンセプトモデルも初公開されていますが、こちらは未だに市販化されていないのです。
スポーツEVコンセプトは、EV専用プラットフォームを採用し、2ドアクーペのコンパクトなボディに、レスポンスのいい電動パワーユニットを搭載している点が特徴。
電気モーターならではの力強くなめらかな加速と、EV特有の静粛性、低い重心による優れた運動性能を実現しています。
また特徴的な機能としては、AI技術を用いた「感情エンジン HANA(Honda Automated Network Assistant)」を搭載しており、クルマが自らの感情を疑似的に生成することによって、クルマと人がコミュニケーションを取ることが目指されている点も個性的です。
ボディサイズは公開されていませんが、車高が低くて幅広い、スポーツカーらしいシルエットとなっています。
エクステリアは、起伏のある形状と張り出したフェンダーで構成され、ホンダeやアーバンEVコンセプトとも共通する丸いヘッドライトと四角いテールランプ、ブラックのフロントフェイスが特徴的。
ボンネットが長く、トランク部分が短い「ロングノーズ・ショートデッキ」のプロポーションは、かつてホンダが販売していた2ドアライトウェイトスポーツカーである「S800」や「S2000」に通じるものがあります。
インテリアは、ダッシュボードに配置された、横長のディスプレイが特徴。各種情報の表示や、操作を集中して行えるシステムです。
ボディカラーは白の1色のみで、出展から約7年が経過した現在も市販化はされておらず、詳しいスペックや想定価格なども公表されていません。
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日本国内でのラインナップは未だ増えていないものの、水面下では着実にEV化を進めているホンダのクルマ。
2026年に「操る楽しさを際立たせた小型EV」を投入するという計画があることを考えると、その小型EVはスポーツEVコンセプトに近い開発思想を持つクルマである可能性もあります。
「都市部を走るEV」として登場したホンダeは、販売においては振るわない結果となってしまいましたが、「走りそのものを楽しむEV」という全く違ったターゲット層のクルマであれば、また違った結果になるかもしれません。