日産の主力コンパクトカーとして、かつて人気を集めた「マーチ」。残念ながら現在ではマーチの販売は終了してしまっていますが、復活はあり得るのでしょうか。考察します。
■日産の新型「マーチ」2026年までに登場?
日産の主力コンパクトカーとして、かつて人気を集めたモデルがあります。それが「マーチ」です。
初代モデルが1982年に誕生し、長く、日産のエントリーモデルとして、広く親しまれてきました。
ただし、残念ながら現在ではマーチの販売は終了してしまっています。果たして、今後、マーチは復活するのでしょうか。
日産は、この春(2024年3月)に、中期経営計画「The Arc」を発表しました。2026年までの3年間の日産の計画の説明です。
その中で、世界市場向けには30車種もの新型車を投入すると発表したのです。そして、日本市場向けには、5車種の新型車を投入すると宣言しました。
そうなると気になるのは、5車種が何かということです。
そこで、現在の日産の日本市場向けのラインナップを見直してみれば、5年前(2019年)から発売されているのは、「リーフ」、「スカイライン」、「エルグランド」、「GT-R」の4モデルだけになります。
ただし、この中のGT-Rは、3年で次世代モデルが登場するとは考えづらいため、除外とするのが妥当でしょう。そうなれば、リーフ、スカイライン、エルグランドの3モデルが、2026年までに投入するという5車種に含まれる可能性が高いでしょう。
では、5車種のうち、残りの2車種は何になるのでしょうか。
非常に可能性が高いのは、日本市場に2020年に導入され、今年春に北米にて次世代モデルが投入されている「キックス」でしょう。北米仕様はエンジン車ですが、日本にe-POWER(ハイブリッド)仕様を用意するのも、それほど問題はないはずです。
そして、最後の1車種は何になるのでしょうか。
ここで可能性のひとつになるのが次世代マーチです。マーチは、欧州向けに「マイクラ」の名前で販売されています。
日産は2022年1月の「Alliance 2030」で、マイクラの次世代モデルをEV(電気自動車)として市場投入することを予告しています。
2022年の発表では、次世代マイクラの一部写真も公開されました。大きなデイランニングライトは、まるで目玉のようで、2002年に発売されて先々代マーチ(K12)を彷彿とさせるものでした。
この次世代マイクラには、CMF-BEVと呼ぶ、EV専用プラットフォームが採用される予定です。このCMF-BEVプラットフォームは、日産だけでなく、ルノーやアルピーヌなどの各ブランドで使われ、年間25万台規模を販売したいとか。
なお、この次世代マイクラは、日産がデザインを担当し、ルノーが開発を担当し、フランス北部のルノー・エレクトリシティでの生産が予定されています。
そんな次世代マイクラ投入の期待を盛り上げるべく、2023年9月にはイギリスの日産デザインスタジオから、「コンセプト20-23」の名称で、スポーツカスタムされたコンセプトカーも登場しています。まさに欧州への投入はカウントダウン中というわけです。
一方、日本では、すでに軽自動車のEV「サクラ」がヒットしています。小さくて安価で、電池が小さくて充電時間の短い軽やコンパクトカーはEVに最適な車種です。
もしも、次世代マーチ(マイクラ)の日本導入が実現すれば、日産は、軽自動車の「サクラ」、コンパクトカーのマーチ(マイクラ)、Cセグメント・ハッチバックの新型「リーフ」、フラッグシップのミドルSUVの「アリア」というEVを揃えることになります。
日本メーカーとしては最強のEVラインナップです。“電動化をリードする日産!“と謳うには、相応しいラインナップと言えるのではないでしょうか。