2024年1月の「東京オートサロン2024」で展示されていた斬新な「ケンメリGT-R」にネット上で多くの反響が寄せられています。
■小さな「ケンメリ」に反響集まる！
2024年1月、千葉市美浜区にある幕張メッセで開催された「東京オートサロン2024」では、数々のカスタムカーが展示され、来場者を楽しませました。
そのなかでも注目を集めていたのが、ユニークなスタイルを持つ「ケンメリGT-R」です。
同車は、一風変わった大胆なボディで多くの来場者の目を引き、ネット上でも多くの反響が寄せられています。
「ケンメリ」という愛称は、1972年に登場した日産「スカイライン」の4代目モデルに由来します。
当時、テレビCMで「ケンとメリー」という若いカップルがスカイラインに乗って全国を旅するストーリーが展開され、この広告がきっかけでケンメリという愛称が広く親しまれるようになりました。
そのなかでも、GT-Rグレードはスカイラインのなかで特に高いパフォーマンスを誇るモデルとして設定されていましたが、排出ガス規制などの影響で、販売期間はわずか4ヶ月、生産台数も197台という短命なモデルとなりました。
それゆえに、現在も世界中のカーマニアから熱烈な支持を受けており、状態の良いものは1億円を超える高値で取引されることもあるようです。
そんなレアなケンメリGT-Rですが、東京オートサロン2024には「幻のちびメリ（以下ちびメリ）」と名づけられたユニークなカスタムモデルが展示されていました。
このちびメリを手掛けたのは、日本自動車大学校（NATS）という主に自動車整備やカスタム技術を学ぶ専門学校の学生たちです。
見た目は限りなくケンメリGT-Rなのですが、明らかに“ホンモノ”と比べてボディサイズが小さく、その愛らしささえ感じる存在に、多くの来場者から注目を集めていました。
気になるちびメリの正体は、1983年にデビューしたスズキの小型ピックアップトラック「マイティボーイ」にケンメリGT-Rの大胆なデザインを取り入れたカスタムモデルです。
実際にケンメリGT-Rのボディサイズが全長4460mm×全幅1690mm×全高1380mmなのに対し、マイティボーイは全長3195mm×全幅1395mm×全高1395mmとかなりコンパクト。
NATSの学生たちは、そんな小さなボディをベースにケンメリの象徴である「サーフライン」を忠実に再現するため、FRPや鉄板の成形技術を駆使し、ボディラインに細部までこだわり抜いたといいます。
ボディカラーは4代目スカイラインのレーシングカーカラーを採用し、伝説のケンメリGT-Rのスタイルを見事に再現しています。
なおちびメリは、東京オートサロン2024での展示時点では公道走行が許可されていませんでしたが、その後2024年3月に車検を受け、晴れて公道デビューを果たしたとのことです。
そんなユニークなケンメリGT-Rに、ネット上では「ケンメリGT-Rのデザインがしっかりと再現されていてカッコいい」「まるで巨大なチョロQみたいで可愛らしい」「こんな遊び心溢れるカスタムカーは最高だ」といった絶賛のコメントが寄せられています。
また、ベース車両であるマイティボーイのオーナーからも、「自分のマイティボーイがこんな風に生まれ変わるとは思わなかった」「このパーツキットが市販化されたらぜひ購入したい」といった熱い反響も見られました。
ちびメリは、単なるカスタムカーの枠を超え、かつての名車へのオマージュと、現代の若者たちの創意工夫が融合したクルマとして、多くの人々の心を掴んだことでしょう。