給油口の位置がわからず、反対側のレーンに行ってしまったことはないでしょうか。実は車に乗ったままでも給油口の位置を確認できる方法があります。また、給油レーンを間違えた場合、そのままでも給油は可能なのでしょうか。
■今乗っているクルマの給油口はどちら側?
普段クルマを運転しなかったり、レンタカーに乗る場合、給油口がどこにあるかわからないということもあるかもしれません。
実は、ほとんどのクルマは「乗ったまま」給油口の位置を確認することができるようです。
その方法は、車内のメーターディスプレイの給油機のマークを見るとわかります。
給油機のマークの左右どちらかに三角のマークがついていますが、マークがついている側に実際に給油口があります。
「▲給油マーク」であれば、左側に。「給油マーク▲」であれば右後方に給油口があるようになっています。
またこのマークは2000年ごろにユニバーサルデザインとして採択されたもので、クルマの年式によって書かれていないことも。
このように便利なマークですが、マークの存在を知らなかったり、そもそもマークが書かれておらず、給油口と逆のレーンに入ってしまうことも。その場合、もう1度車体の向きを変えるべきなのでしょうか。
都内のガソリンスタンドの店員は次のように話します。
「給油レーンを間違えてしまうお客さまはときどきいらっしゃいます。
ガソリンのホースによっては、給油口と反対のレーンに駐車してしまった場合でも給油することが可能です。
実は給油のホースには2種類あり、短ホースと長ホースがございます。
半径4m以内に歩道がある場合、短ホースしか設置ができず、反対側の給油口には届きません。
長ホースの場合、ハイエースなどの車体の大きい車ではなければ、ぐるっとホースを持っていくことができるのでレーンを間違えても給油することができます」
■給油口の位置には決まりはない? EVの充電口はどっち?
左右どちらかに付いている給油口ですが、一定に揃える規則などは存在しないのでしょうか。
給油口に関する規則として、「道路運送車両の保安基準第2章及ひ゛第3章の規定の適用関係の整理のため必要な事項を定める告示【2023.6.5】 第12条(燃料装置)」に記載があります。
告示には、「燃料タンクの注入口及びガス抜口は、排気管の開口方向になく、かつ、排気管の開口部から300ミリメートル以上離れていること」と書かれています。
距離による規定はしっかりあるものの、左右どちらかにつけるような記載はありません。
排気管(マフラー)と反対方向になれば良いということなどで、クルマによって給油口の位置が一定ではないというのも納得です。
また、必ずとは限りませんがメーカーによってある程度給油口の位置が決まっています。
以前ではトヨタはほとんどが左、日産はほとんどが右。輸入車では右側が多かったようです
これは、メーカー独自の設計で、歩行者に寄り添ったものや、運転手に寄り添ったものがあるために差が生まれたのではないかといわれています。
また、実際に給油する場合は給油口を開けるレバー/ボタンがどこにあるかもチェックすべきポイントです。
基本的に、運転席に給油マークが書かれたレバー/ボタンがあるため、そこを操作するだけで完了です。
一部のクルマでは運転席拭きにレバー/ボタンはなく、直接給油口の蓋を開けるタイプも。
給油が終わった後は、キャップや給油口をしっかり閉めたことを確認して走り出しましょう。
そして、近年ではBEV(電気自動車)やPHEV(プラグインハイブリッド車)も普及していて、充電口も確認しておきたいものです。
BEVでは、例えば日産「リーフ」フロントにあったり、PHEVでは、三菱「アウトランダー」では、給油口の逆側の右側にあります。
充電口の位置も、給油口と同様に一定にしなければいけない規則はないようで、メーカーの設計によってさまざまな位置にあると考えられます。
また、給油口とは違い、充電口の位置を示してくれるようなマークが必ずついているとは限らないようなので、運転前に確認するのもよいかもしれません。