2024年9月3日、日産グローバルギャラリー(横浜市西区)はNISMO(ニスモ)ブランド40周年を記念し、1996年に製作されたスポーツカー「NISMO 400R」を同日から展示しました。どのようなクルマなのでしょうか。
■新車価格1200万円の超希少車が「時価5億円」まで上昇!?
日産のショールーム「日産グローバルギャラリー」(横浜市西区)は2024年9月3日から、NISMO(ニスモ)ブランド40周年を記念した展示をおこないます。
数々のレースマシンやNISMOが手がけた市販モデルが揃いますが、1996年に製作され、いまも億単位の高値で取り引きされる非常に希少なスポーツカー「NISMO 400R」の公開が注目されます。
1984年9月、日産自動車 宣伝部大森分室と同・追浜工場特殊車両実験課を母体に誕生した日産のモータースポーツ専門会社が「ニッサン・モータースポーツ・インターナショナル(NISMO)」です。
同社はその後2022年にオーテックジャパンと統合し、現在は日産モータースポーツ&カスタマイズ(NMC)のモータースポーツ事業部となっています。
そんなNISMOが設立された当初、モータースポーツ活動やオリジナルのカー用品開発にはじまり、それらのノウハウを活かしたNISMOコンプリートカーの企画、開発をおこないます。
なかでも「スカイライン GT-R」(BCNR33型)をベースに、1996年に製作されたコンプリートカーのNISMO 400Rは、デビューから30年近く経った今もなお注目を集める1台です。
最高出力280ps・最大トルク36.0kg-mを発揮する2.6リッター「RB26DETT」型直列6気筒DOHCツインターボエンジンをベースに、NISMOがチューンナップした「RB-X GT2」エンジンは、排気量を2.8リッターにボアアップ。
N1仕様のメタルタービンや専用コンピュータ、ツインプレートクラッチ、チタンデュアルエキゾーストマフラーなどの各NISMOオリジナルパーツに換装され、最高出力400ps・最大トルク47.8kg-mまで性能を向上させています。
プロペラシャフトもカーボン製に換装される念の入れようです。
外観は、オーバーフェンダー化に加え、各部の開口部を拡大した専用エアロパーツや専用ボンネットなどを装着し、レーシーな雰囲気です。
ボディサイズは全長4675mm×全幅1830mm×全高1330mm。ベースに対し車幅が50mm拡幅しているほか、オリジナルサスペンションやビルシュタイン製ショックアブソーバーなどの足回り強化により全高は30mmダウンしています。
タイヤはオリジナルの17インチ(245/45R17)に対し18インチ(275/35R18)にインチアップされ、ブリヂストン「RE710kai」を装着。ブレーキまわりも強化されました。
内装は、NISMOの刺しゅうが施された専用シートや黒に統一された専用内装、320km/h・1万1000回転まで表示されたフルスケールの専用メーター、3連サブメーター、チタンシフトノブなどが備わります。
細部まで手が加えられたNISMO 400Rは1200万円で、限定99台のみの販売でした。ただし実際には50数台程度が販売された模様です。
2024年1月に開催されたカスタムカーイベント「東京オートサロン2024」では、この400Rの中古車がGT-R専門店から出展され、5億円のプライスタグをつけたことで大きな話題を呼びました。
このようにデビューから25年以上が過ぎた今も高い注目を集める、非常に希少なモデルの実車展示といえるでしょう。
※ ※ ※
日産グローバルギャラリーの「NISMO 40周年記念展示」は、このほかにもさまざまなNISMOを象徴するクルマが並びます。
メインステージには、スーパーGT選手権に参戦する「Nissan Z NISMO GT500」(2024年モデル「MOTUL AUTECH Z」23号車)やフォーミュラE参戦の「Nissan Formula E Gen3 S10 Tokyo E-Prix Lively」を出展。
さらに往年のモータースポーツ参戦マシンからヘリテージモデル、「アリア NISMO」「フェアレディZ NISMO」などの最新NISMOロードカーまで、10台以上のモデルが9月3日より10月15日まで展示される予定です。