2024年9月4日、日産の米国法人は新型「アルマーダ」2025年モデルを世界初公開しました。現行モデルに対し、フルモデルチェンジでどのように変わったのでしょう。新旧モデルを比較します。
■「5.6リッターV8」から「3.5リッターV6ツインターボ」にサイズダウン!
日産の米国法人は2024年9月4日(現地時間)、フルモデルチェンジを実施した新型「アルマーダ」2025年モデルを世界初公開しました。
これまでのモデルに対し、どういった点が進化したのでしょうか。
アルマーダは、2003年に初代モデルがデビューした北米市場向けのフルサイズSUVです。
2016年、現行型の2代目へ刷新された際、中東などで「パトロール」の名前で売られているフルサイズSUVと基本部分を共用する兄弟車になっています。
ベースとなったパトロールは、1951年に警察予備隊(現在の自衛隊)用車両として試作されたモデルに端を発する、非常に長い歴史をもった四輪駆動車です。
1980年登場の3代目からは、日本市場向けモデルを「サファリ」の名称に変更し、その後5代目モデルが2007年まで販売されていましたが、国内では撤退。以降は海外専用モデルとして生産され、現行モデルは2010年登場の6代目です。
そんななかアルマーダはおよそ8年ぶりのフルモデルチェンジを実施し、3代目となりました。
新型アルマーダの進化点について、現行アルマーダ(2代目)と比較しながら検証します。
2代目アルマーダのパワートレインは、最高出力400hp、最大トルク413lb-ftの5.6リッターV型8気筒 DOHCガソリンエンジンで、最大8500ポンドのけん引能力を発揮。トランスミッションは7速ATです。
これに対し新型アルマーダは、3.5リッターV型6気筒「VR35DDTT」型 直噴ガソリン ツインターボエンジンを新たに搭載。最高出力425hp・最大トルク516lb-ftを発揮し、9速ATと組み合わせます。
先代に対し排気量を大幅にダウンさせ、環境性能に配慮しながらも性能自体はさらに向上しており、けん引能力も先代同等の最大8500ポンドを確保しています。
ボディスタイルは、高い地上高やタフな性能に相応しい力強い存在感が与えられました。
ボディサイズは、全長約5323mm×全幅約2115mm×全高約1945-1981mm、ホイールベース約3076mmです。
2代目アルマーダ(全長約5306mm×全幅約2029mm×全高約1925mm、ホイールベース約3076mm)に対しさらに大きくなりました。
新型では、日産の大型SUVやピックアップトラックモデルに共通設定されるタフ仕様「PRO-4X」を、アルマーダとしてはじめてラインナップしました。
新型アルマーダ PRO-4Xは、通常モデルよりサスペンションを2.1インチリフトアップしたほか対地障害角も向上するなど、オフロード性能を高めています。
外観上も差別化が図られ、オフロード仕様のキャラクターに相応しいアクティブなスタイルとしています。
またPRO-4Xと「プラチナ リザーブ」グレードについては「アダプティブ エレクトロニック エア サスペンション」が搭載され、走行状況に応じた複数の車高設定が可能となります。
内装はインフォテイメントシステムが大きく進化しました。
Googleビルドインを新搭載し、Googleの各アプリとの連携を高めるとともに、センターディスプレイおよびメーターパネルは14.3インチの大型デュアルスクリーンを採用したことで、先進的なイメージを強めています。
加えて、マッサージ機能付きフロントシートや64色のアンビエント照明、12スピーカー「Klipschプレミアムオーディオシステム」を搭載し、フラッグシップSUVに相応しい上質さを高めました。
シートレイアウトは、2代目同様に3列シートを採用。1列目と3列目のレッグルームがさらに広くなったほか、3列目後方の荷室スペースも従来モデルより24%拡大するなど、快適性や利便性も向上しています。
先進運転支援機能では、インテリジェント クルーズ コントロールとステアリング アシスタンスを組み合わせた「プロパイロットアシスト2.1」を搭載し、高速道路でのハンズオフ走行を可能とするなど、利便性や安全性が大幅に向上しています。
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日産の米国法人によれば、世界初公開された新型アルマーダはこのあと2024年後半に発売される予定とのこと。販売価格なども今後順次発表されます。
ちなみに2代目(現行型)アルマーダ 2024年モデルの米国における販売価格は、5万6520ドル(約819万円)から7万1590ドル(約1038万円)まで。
大幅に機能向上を果たした新型アルマーダの価格がどうなるのかについても気になるところです。