アストンマーティンは111年の歴史の中で最もパワフルなフラッグシップモデルとして、新型「ヴァンキッシュ」を発表しました。 一体どのようなクルマなのでしょうか?
■史上最強のフラッグシップモデル、新型「ヴァンキッシュ」発表!
2024年9月2日(英国現地時間)にアストンマーティンは、111年の歴史の中で最もパワフルなフラッグシップモデルとして新型「VANQUISH(ヴァンキッシュ)」を世界初公開しました。
アストンマーティンは、イギリスの高級スポーツカーメーカーで、ライオネル・マーティンとロバート・バンフォードによって1913年に設立されました。
洗練されたデザインと高性能なエンジンを特徴とし、特に映画「007」シリーズで主人公ジェームズ・ボンドが運転するクルマとして有名です。
そんなアストンマーティンのなかでヴァンキッシュの名前は、量産車のフラッグシップモデルに歴代用いられています。
初代は2002年から2007年まで、2代目は2012年から2018年まで販売され、今回新たに3代目が発表されました。
ボディサイズは、全長4850mm×全幅1980mm×全高1290mm、ホイールベースは2885mmと、2代目と比較すると全長+120mm、全幅+70mm、全高-5mmとかなり大型化。
ボディ構造には新たな基準を打ち立て、剛性を強化する部材の使用により、旧フラッグシップモデルである「DBS 770 Ultimate」に比べ横剛性を75%向上させています。
これにより、新たに採用された専用のキャリブレーションを施されたビルシュタインDTX ダンパーの取り付け剛性が向上し、ダンピング性能の効率化と微調整の強化も実現しています。
エクステリアは、抑揚のある流麗なクーペボディに、フロントフェイスにはアストンマーティン特有の大きなフロントグリルを配置するのにくわえて、足元には21インチ鍛造アロイ・ホイールと専用設計のピレリP-Zeroタイヤを標準装備。
リアデザインには、1960年代のル・マンに投入されたプロジェクトカー「DP215」のカムテールをオマージュしたデザインを用いることで、レーシーな雰囲気を醸し出しています。
またルーフにパノラミック・ガラスルーフを、V12モデルで初めて採用されたことも大きなポイントです。
インテリアは、同社の中枢を担うモデル「DB12」のデザインをベースに、各所にカーボンパーツが配され、ヴァンキッシュ用にアレンジされています。
センターコンソールの中央には10.25インチのタッチスクリーンが置かれ、この画面を通じてインフォテインメントやエアコン、車両の一般設定などを操作できます。
そして今回、歴代ヴァンキッシュ初となる2シーターレイアウトとなっており、シートにはヒーターとベンチレーション機能が組み込まれ、その後方は荷物スペースに充てられているのも大きな特徴です。
そのほか、2つのアンプと15個のスピーカーを配置したBowers&Wilkinsのサラウンドサウンドシステムも標準装備されています。
搭載されるエンジンは、最高出力835PS・最大1000Nmを発揮する5.2リッターV型12気筒ツインターボエンジンを搭載。
このエンジンはイギリスにある自社ファクトリーでひとつひとつ手作業で製造されているとのことです。
またパワートレインに同社のV12スポーツカーとして初となるZF8速ATとエレクトロニック・リアLSD(E-diff)を組み合わせるほか、ターボのブースト圧を通常よりも高めておくことでターボラグを軽減するブーストリザーブ機能を採用することにより、0-100km/h加速は3.3秒、最高速度はアストンマーティンの量産モデル史上最速の345km/hを発揮します。
そんな新型ヴァンキッシュは年間1000台以下の限定生産となり、デリバリー開始は2024年の第4四半期を予定されています。
なお、価格は公表されていません。