クルマに貼り付けるマークには、初心者マークのほかにもさまざまな種類があります。なかでも緑地に黄色のちょうちょが描かれた「ちょうちょマーク」には、どんな意味があるのでしょうか。
■「緑地に黄色のちょうちょ」が描かれたマークの意味とは
クルマに貼り付けるマークには、有名なものだと初心者マークがありますが、このほか貼り付けないと違反になるマークなど実にさまざまな種類があります。
なかでも、緑地に黄色の蝶(ちょう)が描かれた、通称「ちょうちょマーク」には、どんな意味があるのでしょうか。
クルマを運転するドライバーが表示するマークの中でも、片側が黄色、緑色で描かれている初心者マークは、見たことがある人も多いでしょう。
若葉マークとも呼ばれるこのマークは、準中型自動車または普通自動車を運転することができる免許を受けた人で、免許取得後1年未満の人が表示の対象です。
初心者マークには表示義務があり、表示しない場合は道路交通法違反となり違反点数1点、普通車では4000円の反則金が科される可能性があります。
一方であまり知られていないかもしれないマークのひとつに、ちょうちょの形をしたマークがあります。
これは「聴覚障害者マーク」というもので、マークには丸い形で緑色の背景に黄色いちょうちょが描かれています。
2008年(平成20年)6月1日の道路交通法改正によって、聴覚障害者でも一定の条件の下でクルマの運転をすることができるようになりました。
具体的には、補聴器を用いても10メートルの距離で90デシベルの警音器の音が聞こえない人が対象で、後方の安全を確かめるためにワイドミラーの装着と、車両の前後に聴覚障害者マークを貼付することで運転が可能になります。
実は聴覚障害者マークにも表示義務があり、貼り付けていない場合は初心者マーク同様の反則金、違反点数が科される可能性があります。
このちょうちょマークについてSNSでは、「このマーク何?」「知らなかった」「このマーク見たことなくて、聴覚障害者マークとは知らなかったなあ」など、知らなかったという声が多数寄せられており、未だ広く周知されていないマークであるといえます。
もしクルマを運転中にちょうちょマークを見かけた場合には、周囲の配慮が必要です。
周囲のドライバーは、聴覚障害者が警音器の音では危険を認知できないことを理解し、「警笛鳴らせ」の警戒標識が設置されている山地部の道路や、見通しのきかない交差点、まがりかど等、また自分の車線に車線変更しようとしている自動車などに対しては、必要に応じて減速を行うなど、配慮ある行動が大切です。
仮に幅寄せや必要な車間距離が保てなくなるような進路変更をした場合、道路交通法違反に該当し、違反点数は1点、反則金は普通車の場合6000円が科される可能性があります。
見かける機会が多くないちょうちょマークですが、いざという時に対応できるよう、マークの意味を覚えておくと良いでしょう。
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このほかクルマに表示するマークには高齢運転者マーク、身体障害者マークがあります。
高齢者運転者マークはオレンジ、黄色、黄緑、緑の4つの葉が重なったようなマークで、普通自動車を運転することができる免許を受けた年齢が70歳以上の方が表示の対象です。
身体障害者マークは、丸い形に青い背景に白色の四葉が描かれたマークで、普通自動車を運転することができる免許を受けた方で、肢体不自由であることを理由に当該免許に条件を付されている方が表示の対象です。
なお、この2つのマークに表示義務はなく、努力義務となっています。