現在のマツダ車は魂動デザインを採用していますが、魂動デザインが採用される前にはNagare(流れ)デザインというものが存在しており、2000年代前半の各地のモーターショーには、Nagareデザインを採用したデザインコンセプトモデルが複数出展開されました。今回紹介するのはそんなNagareデザインの「葉風」です。
■顔がスゴイ! マツダ「葉風」って何?
現在のマツダ車は魂動デザインを採用しており、そのデザインは国内外で高い評価を集めているのはご存知の通り。
そんな魂動デザインが採用される前にはNagare(流れ)デザインというものが存在しており、2000年代前半の各地のモーターショーには、Nagareデザインを採用したデザインコンセプトモデルが複数出展されていました。
そんなNagareデザインのコンセプトモデル第1弾が「流(ながれ)」、第2弾が「流雅(りゅうが)」、そして今回紹介する「葉風(はかぜ)」が第3弾となり、このあとに第4弾となる「大気(たいき)」が発表されてNagareデザインのデザインコンセプトは終了となりました。
このNagareデザインとは、止まっているときでさえしなやかに風を切って走っているかのようなデザインというコンセプトで生まれており、動きのある意匠を纏っているのが最大の特徴です。
今回紹介する葉風は、アクティブなライフスタイルを送る30代から40代の人々にターゲットをおいたクーペスタイルの4人乗りコンパクトクロスオーバーSUVであり、欧州のデザインセンターでデザインされたもので、2007年のジュネーブモーターショーにて初公開されました。
ほかの3種類のNagareデザインのコンセプトモデルに比べると、かなり現実的なデザインとなっていますが、一説には市販化も視野に入れて開発されたとされています。
とはいえ、やはりコンセプトモデルと感じるのが大型の跳ね上げ式のドアで、風を切って走るというイメージ通り、羽根のようなものとなっています。
またボディサイドには風紋のようなテクスチャーが施され、コンパクトでありながら質感や塊感のあるボディスタイルとなっているのも特徴となっていました。
なお、大型ガラスルーフの後部は脱着が可能となっており、取り外すことでオープンエアー感覚が味わえる構造になっているところもマツダらしいポイントと言えるでしょう。
一方のインテリアは後席まで伸びる大型コンソールが備わるなど、コンセプトカー然としたものとなっていましたが、リアシートがフロントシートの下に収納できるユニークなシートレイアウトとしたことで、荷室スペースを確保できるようにするなどのアイデアも盛り込まれていました。
そしてパワートレインにはマツダスピードアクセラなどに搭載されていたMZR 2.3L DISIターボを搭載し、6速の電子制御スポーツATと、アクティブトルクコントロールカップリング式の4WDシステムが搭載されているとされ、当時はディーゼルエンジンの搭載も視野に入れているとアナウンスされていました。
残念ながらこの葉風は市販化には至りませんでしたが、クーペスタイルのコンパクトクロスオーバーSUVという現在のトレンドを2007年の時点でいち早く採り入れていた点はさすがと言ったところではないでしょうか。