山梨県と相模原、東京方面をつなぐ「国道413号」、通称「道志みち」で、改良工事が進んでいます。完成すればどれだけ便利になるのでしょうか。またどこまで進んでいるのでしょうか。
■富士吉田への短絡路を高規格化
山梨県と相模原、東京方面をつなぐ「国道413号」、通称「道志みち」で、改良工事が進んでいます。
完成すればどれだけ便利になるのでしょうか。またどこまで進んでいるのでしょうか。
中央道の甲府~八王子の山越え区間といえば、小仏トンネルを中心に渋滞が激しいことで知られています。並行する国道20号も、やはり混雑しがちです。
混雑をどうしても避けたいドライバーが「抜け道」として利用するのが、南側を東西に走る国道413号、通称「道志みち」です。
しかし、この道志みちは急勾配・急カーブもあり、気楽に通り抜けられる道路状況ではありません。
さらに、土砂崩れによる通行止めも多発し、3年間で通行止めが7回というデータも。生活交通と観光利用が混在し、事故も多発しています。
道志みちは国が指定する「第一次緊急輸送道路」にも含まれているため、おいそれと通行止めにさせるわけにはいきません。そこで「抜本的な道路整備が求められている」とされています。
近年では、2019年の台風によって中央道や国道20号が寸断。東京・神奈川~山梨の県境区間の交通が麻痺してしまいました。それをふまえて「東京~山梨・長野 交通強靱化プロジェクト」が立ち上がり、山梨県では道志みちの強化をその一環としています。
さて、そんな道志みちの改良プロジェクトで、真っ先に事業化されたのが「道志バイパス」工区です。
道志バイパスは、道志村の最東端で、相模原市境に近い部分に整備されます。特にクネクネとして、土砂崩れのリスクの高い山岳区間を、2本のトンネルでまっすぐ短絡します。事業化は2013年、事業計画では2029年度完成とされています。
気になる進捗ですが、工事のほとんどを占めるのが、長さ1049mにおよぶ「2号トンネル」です。こちらは設計段階で、まずは隣の短い「1号トンネル」が、2022年に掘削開始となりました。トンネルと現道を取りつける部分や谷を超える橋梁も、すでに一部で下部工が完成済みや工事発注済みとなっています。
なお、道志バイパスのほかにも、都留市方面へ抜けるルートのバイパスや、富士吉田市~笛吹市をつなぐ国道137号の改良計画も進められ、「中央道抜け道」はさらに走りやすくなっていきます。