2024年4月に発表されたマツダの新型EV「EZ-6」が、いよいよ9月下旬に発売を迎えます。いったいどのようなクルマなのでしょうか。
■マツダ新型セダン「EZ-6」 9月下旬に中国発売へ
マツダは2024年4月に発表した新型セダン「EZ-6」を同年9月下旬に発売します。
いったいどのようなクルマなのでしょうか。
EZ-6はマツダ、そして長安汽車との合弁会社「長安マツダ」が共同で開発したセダです。
パワートレインは1.5リッター直列4気筒エンジンを発電用に搭載するレンジエクステンダー付きEV(EREV)モデルと、電気だけで走る電気自動車(BEV)モデルの2種類から選択できます。
かねてからマツダが中国で新たなEVを投入すると噂されていましたが、2024年4月に開催された北京モーターショー2024にてようやく発表された形となります。
2024年8月末に開催された成都モーターショー2024では、長安マツダがEZ-6を2024年9月下旬に発売すると発表しました。
EZ-6は7月より先行で試作車が生産されており、現地ディーラーやメディアを招いた試乗会を開催と、発売前のプロモーションに力を入れておりました。
販売が伸び悩む中国市場における起爆剤としてマツダが本腰を入れて売っていくモデルとなります。
EZ-6は長安汽車との共同開発モデルですが、クルマ自体は長安汽車の電動ブランド「ディーパル」が販売するセダン「SL03」がベースです。
ボディサイズは全長4921mm×全幅1890mm×全高1485mm、ホイールベース2900mmの4ドアセダンとなり、カムテールを採用するファストバック風セダンのシルエットもSL03とそっくりです。
ですが、フロントマスクやサイドのプレスライン、テールライトの造形などはEZ-6オリジナルとなっており、マツダのデザインにおけるこだわりを感じさせます。
これに加え、SL03には無い格納式リアスポイラー、サスペンションや乗り心地のチューニングなど、スポーティーな仕上がりになっていると言われています。
インテリアは中央に14.6インチのタッチディスプレイを搭載、中国メーカーの流行を捉えたデザインとなります。
また、14個のスピーカーで構成されるソニー製オーディオシステムや、64色から選択できるアンビエントライトなど、中国の消費者を意識した装備構成が特徴的です。
パワートレインの仕様に関しては、EREVモデルが1.5?直列4気筒エンジンに出力214hpのモータ、そして駆動バッテリーは18.99kWhもしくは28.4kWhから選択可能と判明しています。
また、BEVモデルでは容量58.1kWhと66.8kWhの2種類の駆動バッテリーを用意、それぞれ航続距離は中国独自のCLTC方式で480kmと600kmとなります。また、BEVモデルのモーター出力は254hpを誇ります。
■セダンの「EZ-6」だけじゃない? 他にもSUVなど投入へ
長安マツダは成都モーターショー2024にてEZ-6を2024年9月下旬に発売すると発表しただけでなく、今後は毎年1、2車種のEVを中国で販売するとも語りました。
長安汽車との共同開発モデルとしてはEZ-6以外に、コードネーム「J90K」というSUVも2025年に投入される予定です。
「J90K」の新型SUVは北京モーターショー2024にてコンセプトモデル「創(ARATA)」としてプレビューもされており、ベース車両はディーパルのSUV「S07(旧名:S7)」になると見られます。
また、マツダはEZ-6を中国市場だけでなく、欧州市場にも投入する予定であると言われています。
当初からその噂が立っていただけでなく、マツダが長安汽車と自動車輸出に関する新たなパートナーシップを結んだりと、EZ-6の欧州販売はほぼ確実と言えるでしょう。
中国市場において遅れをとるマツダですが、2023年に投入したSUV「CX-50」は毎月の販売台数が1000台を下回るなど先行きが不安視されています。
中国市場の消費者が何を求めているかを熟知する現地メーカーと手を組むことで、中国のニーズに合った車種展開を今後もおこなっていくことでしょう。