道端に立っている注意看板のなかで、「警察官が立っている」ように見えるものがあります。あの「警官と見間違えてしまう看板」の正体はいったい何なのでしょうか。
■「予告看板」を目印にオービスがどこにあるか分かる!?
夜間にクルマを運転していると、「道端に警察官が立っている!」とびっくりしたら、実は看板であったという体験をしたという人も多いかもしれません。
あの「警官と見間違えてしまう看板」の正体はいったい何なのでしょうか。
思わず減速してしまうようなデザインの看板の名称は「ナイトポリス」です。
ナイトポリスは、スピードが出すぎてしまう道路や危険な場所、事故が多い場所に設置されています。
夜になると看板がクルマのライトに反射して、警察官をイメージしたヘルメット部分と安全帯、警棒の部分が浮かび上がる仕組みです。
ナイトポリスにはさまざまな工夫が施されていて、実はさまざまな種類があります。
例えば、昼間はナイトポリス標識と見抜かれないように、反射材部分を目立たないようにしているタイプ。
他にも、設置したときに丸みが出るのでより人間の体に近くなり、よりリアルに見える電柱幕タイプも存在します。
さて、夜間に運転していると思わず目に入ってしまうようなユニークな看板ですが、いつから存在しているのでしょうか。
ナイトポリスを製造している安全企画工業株式会社の担当者は次のように話します。
「誕生したのは40年近く前とのことです。
当初、別の会社に鉄鋼の骨組みで警官の形にして、反射材を使用した『ナイトポリス』という名前のものがありました。それを平面の形に初めて応用してできたものが当社のナイトポリス標識(看板及び電柱幕)ということです」
危険な場所などに設置されているナイトポリスですが、実際に効果はどのくらいあるのでしょうか。前出の担当者は次のように話します。
「警官が立っていると思わせて、クルマにスピードを落としてもらう、もしくは安全運転をしてもらおうという意図がございます。
感想として『ギクッとしてスピードを落とした』、『同じ道を通るので看板とはわかっていながらも、どうしても警官のように見えるのでゆっくり走ってしまう』などの声をいただきます。
また、注文も多く頂いておりますので、効果はあるのかと受け止めています」
他にも、効果を上げる工夫として、よりリアルな警察官に見せるためにどういう反射材の形や色にするかなどを、警官の制服の変遷に合わせて変えるようにしているとのことです。
なお、この商品は警察や役所からの注文が多く、警察や役所の方からの意見に関して、担当者は次のように話します。
「警察や役所の方からは、『いいアイデア。面白いよね』、『ドキッとして効果があり凄く面白い商品ですね』などお褒めいただいています。
一方で、『あまり設置が長くなりすぎると場所がわかられてしまい、効果が少なくなるので、そういう場合は場所を変えたほうがいいですね』との意見もありました」
安全運転のためには速度に気をつけるだけでなく、夜間の歩行者や自転車にも注意を向ける必要があります。
歩行者や自転車の運転時には、ナイトポリスのように反射板を身につけて運転手に存在を知らせることも重要です。