雪とは一切無縁の夏シーズン。実は「冬タイヤ」を買っておくとメリットがたくさんあるようです。一体どういうことなのでしょうか。
■「シーズン外」だからむしろ「買い」 店舗によっては特典も
今は夏なのに、タイヤ販売店ではスタッドレスタイヤが陳列されているのを見かけることがあります。
この時期にスタッドレスタイヤが販売されている理由や、購入するメリットはあるのでしょうか。
日常的にクルマを使用する人は冬前になると、スタッドレスタイヤに交換している人も多いでしょう。
スタッドレスタイヤへの適切な交換時期は初雪の1ヶ月前と言われており、地域にもよるものの、10〜11月頃が一般的です。
さらに、タイヤ販売店などで行われる早期キャンペーンも秋の初め頃からスタートします。
しかし、一切雪とは無関係な今のタイミングは、スタッドレスタイヤをお得に購入できる時期でもあるようです。
実は、現在店頭で販売されているスタッドレスタイヤは昨シーズンからの在庫ですが、秋頃になると今シーズンの商品が新たに販売開始となるため、それまでに店頭やメーカーの倉庫にある在庫をできるだけ販売するよう取り組んでいるのです。
そのため、店舗によってはスタッドレスタイヤの陳列を充実させて、積極的に販売が行われています。
この時期に購入するユーザー側のメリットは主に2つです。
ひとつは、シーズン前にスタッドレスタイヤを確保できること。
スタッドレスタイヤは積雪前のギリギリになると、タイヤ交換が予約待ちになったり、希望するタイヤが在庫切れになってしまったりする可能性があります。
今の時期にタイヤを確保しておけば、自分のクルマに合うサイズのタイヤが在庫切れを起こして入手できないという心配がなく、混雑前に早めにタイヤ交換をすることができます。
もうひとつは、シーズン中よりも安い価格で購入できる可能性があることです。
この時期に販売されているスタッドレスタイヤは昨シーズンからの店頭在庫かメーカー在庫品で、販売に積極的になっているため、シーズン中にはない値引きが期待できます。
在庫品といっても基本的に品質や安全性に問題はないため、気にならない人にとってはとてもお得に買えるチャンスだといえます。
スタッドレスタイヤを多く店頭に陳列しているタイヤ販売店で、スタッフの方に聞いてみたところ、次のような回答が得られました。
「現在店頭に並んでいるのは昨シーズンの商品で、当店では値引き対応しています。
店頭・メーカーとも在庫がありますが、夏が終わればすぐに新商品が出てくるため、その前にできるだけ多く販売したいという考えです。9月半ばになると早期予約キャンペーンがスタートしますので、こういった対応ができるのは当店では遅くとも9月初頭までです。
あくまでも昨シーズンの在庫販売となるため、製造は昨年のものとなります。未使用のタイヤは、適切に保管されていれば製造から3年間は性能が変わらないとされていますのでご安心ください。
ただ、気にされる方は早期キャンペーンを待ってご購入いただくことをおすすめします。
積雪や凍結のある地域では、シーズンになればスタッドレスタイヤはどうしても必要になりますので、安く販売している今の時期にご購入いただくことをおすすめします」
筆者(くるまのニュースライター 市川ミナミ)も具体的な金額を示して提案を受けましたが、大幅な値引きに加えて、スタッドレスタイヤに履き替えるタイミングまで店舗で保管してもらうことができ、組み替え工賃は不要(タイヤ販売価格に含む)、11月初旬までであればタイヤ交換も優先的に予約を入れられる(電話で確認してくれる)とのことで、サービスも充実していました。
積雪のある地域を走行する人にとってスタッドレスタイヤは欠かせませんが、タイヤに十分な溝の深さとゴムの柔らかさがないと、本来の性能を発揮できません。
メーカーでは、溝の深さが新品の50%まで減ったら交換が必要だとしています。
さらに、溝の深さが十分残っていても、年数の経過や保管方法によって劣化が進んでいる可能性もあるため、ひび割れや偏った摩耗がある場合は、この時期にチェックして購入しておくのもいいかもしれません。
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具体的な値引き額やサービス内容はあくまで店舗や商品によって異なりますが、今冬にスタッドレスタイヤの購入が必要となる人は、この時期のスタッドレスタイヤ販売に積極的な販売店を探してみるのもおすすめです。
ただし、値引きを依頼する際は過度な要求にならないよう、節度を守って交渉しましょう。