トヨタ車体が制作したクロスオーバータイプのミニバンコンセプト「クロスバン ギア コンセプト」は、SNS上でどのような反響があるのでしょうか。
■「新カテゴリー」ミニバンに反響多数
トヨタ車体は「ジャパンモビリティショー2023」（2023年10月〜11月開催）で「クロスバン ギア コンセプト」を展示しました。
SNSでは多くの反響が寄せられています。
クロスバン ギア コンセプトは、「多様化するライフスタイルに合わせ、すべての人が人生を楽しむ次世代のキャブワゴン」「乗用ミニバンの大空間とSUVのアクティブスタイルを両立した新しいカテゴリー」として、新たに提示したコンセプトカーです。
ボンネットを備えた上に全体的にスクエアなデザインで仕上げ、アウトドア指向を示唆しています。
さらにやや横に張り出した前後のフェンダーがタフネス性を印象付けています。
パワートレインや駆動方式は未公表ですが、ボディサイズは全長4695mm×全幅1820mm×全高1855mmと「ノア」「ヴォクシー」に近い値となっています。
大きそうに見えるデザインですが実際はミドルクラスと言えるサイズ感です。
さらに室内は3列シートを備えていますが、2列目は左右独立式で3列目はベンチタイプを採用。2列目シートを前方に折り畳めばテーブル化できる仕掛けで、助手席は180度後方に向けることができます。
前後扉はスライド式で、前ドアは前方、後ろドアは後方に開きます。
室内寸法は長2965mm×幅1550mm×高1340mmで、Bピラーレスの車体構造のため前後席へのアクセスが良いことはもちろん、大きな荷物を横から積み込むことも可能です。スキーやスノーボードはもちろんサーフボードなども積み込むのにも便利そうです。
ルーフはパノラマルーフとなっており、キャンプでは自然の中で開放感を味わうことができるかもしれません。
このクロスバンギアには、SNS上でも「最低地上高あげたSUVにスライドドアという選択肢が増えるのはうれしい」「全てがスライドドアというのは便利だと思う。室内も遊び心満点な感じで汚れにも強そうだし、販売を熱望！」と、期待する声が多く見られます。
また「市販化されたとしてもハイエースとランクルの牙城に割って入れるかどうか、逆に言えばハイエースとランクルの完成度がそれだけ高いということ。プライシングの問題もある」「Bピラーレスなので一見剛性に不安を覚えるが、ラダーフレームなら実現できそう。悪路を走ってもボディがよれない剛性は不可欠」など、実現するにあたり希望点を挙げる人もいます。
さらに「このクラスは現在デリカD：5の独壇場。市販化するならより本格的に作る必要がある。現実的なコンセプトカーではあるので、作っただけという展開にはならないでほしい」「大型のタクシーとして活用しても面白そうだ」という意見も。
様々な意見はあるものの、多くの人々が気になるモデルであることは間違いないでしょう。
■クロスバン ギアの「ちょうどいい感」に大きな可能性？
クロスバン ギアの魅力は、ミニバンの中でも「ちょうどいいサイズ感」が挙げられるでしょう。
最近発売されたホンダ「フリード」は、コンパクトミニバンではあるものの、SUVテイストを盛り込んだ「クロスター」が設定されています。
もちろんアウトドアユースを想定したモデルで、テールゲートタープといったキャンプ・車中泊を意識したオプションも設定されています。
トヨタはミニバンを多数ラインナップしていますが、高級・ファミリーユース路線のモデルが多数を占めています。
プロ向けは「ハイエース」や「タウンエース」があります。商用車として耐久性が高められてはいますが、内装の質感や車内騒音はある程度割り切られているため、本格的なファミリーユースには向かないと言えるでしょう。
「クロスバン ギア」は、その間を埋める存在になる可能性を秘めています。
先ほどの声にもあったように販売化するには多数の課題を越えなければならないのも事実です。
発表時点ではパワートレインや駆動方式も未定とのことですが、本格4WDにするか、ハイブリッド方式のAWDにするか、タフなディーゼルエンジンを搭載するかなど様々な可能性が考えられます。
このようなモデルを望んでいるユーザーも多いのではないでしょうか。