広大な室内空間と利便性、そして低燃費が魅力なハイブリット仕様のミニバンですが、かつてホンダはその先駆け的なモデルとして斬新なミニバンを発表していました。一体どのようなクルマなのでしょうか。
■ハイブリット仕様ミニバンの先駆けモデル「スカイデッキ」とは?
広大な室内空間と利便性がユーザーの心を掴み、家族層を中心に人気を博しているミニバンですが、最近では環境や燃費を配慮したハイブリット仕様のモデルが主流になりつつあります。
そんななか過去にホンダは東京モーターショーで、未来のハイブリッドカーを示唆した斬新なミニバンを発表していました。
一体どのようなクルマなのでしょうか。
そのクルマとは「スカイデッキ」です。
スカイデッキは、ホンダが東京モーターショー2009で出展したコンセプトカーです。
当時まだ現在ほどハイブリットモデルが普及していないなか、ハイブリッドカーの基準をもっと自由に広げたいという想いから、年齢やライフスタイルにしばられない1人ひとりの趣向にこたえるクルマとして誕生しました。
扱いやすいコンパクトなボディサイズに、多人数の移動にも、趣味の道具を積み込める広い室内空間を特徴としています。
ボディサイズは全長4620mm×全幅1750mm×全高1500mm、ホイールベースは2885mmという大きさで、特に背が低いことで実現できるスタイリッシュなデザインが目を惹きました。
エクステリアは、フロントからテールにかけての流麗なラインがポイントで、空力性能とデザイン性を両立しています。
フロントには長いノーズと大きなロアグリルを持ち、同時に公開された「CR-Z コンセプト」と共通するデザイン要素が見られました。
さらに、フロントドアにはイルミネーション付きのガルウイングドア、リアドアには斜めスライド機構が採用され、視覚的なインパクトと機能性を確保しています。
インテリアは、2座シートが3列並ぶ6人乗りのスタイルで、それぞれに薄型のスポーツシートを装備。
2列目シートは前席下に電動で収納され、3列目シートは床下に格納されるため、荷室スペースの拡張が可能です。
この独自のシートアレンジにより、利便性と快適性を兼ね備えた室内空間を提供しています。
また、スカイデッキの名称にふさわしく、広大なガラスルーフを採用しており、開放感あふれるキャビンも魅力の1つです。
パワートレインは詳細には明かされていませんが、ハイブリッドシステムを採用し、小型軽量のユニットをセンタートンネルに配置することで、低床化と低重心化を実現。
この設計により、広々とした室内空間と優れた走行性能を両立しています。
そんなスカイデッキは市販化にはされなかったものの、後に販売された6人乗りステーションワゴン風ミニバン「ジェイド」にはスカイデッキのデザインや機能の一部が反映されました。