高速道路を走行中に、運悪く故障などトラブルが発生してしまうこともあります。高速道路上で走り続けられない状態になったらどう対処すれば良いのでしょうか。
■高速道路の入り口付近のGSでタイヤの空気圧をチェックすべき理由とは
レジャーや帰省などで遠方へ行く際、高速道路を利用する人が多いでしょう。
しかもそんな高速道路上に限って故障などトラブルが発生し、走行できなくなってしまうこともありえます。
高速道路でクルマが立往生してしまったら、どう対処すべきなのでしょうか。
ロードサービスをおこなうJAF(日本自動車連盟)が公表している救援要請の出動理由を見てみると、2023年度は、一般道路では圧倒的に多いのが「過放電バッテリー(いわゆるバッテリー上がり)」でした。
一方、高速道路でのトラブルで多いのは「タイヤの不具合(パンク・バースト・エアー圧不足)」が全体の38.95%を占め、次いで「燃料切れ」(10.95%)、「事故」(8.07%)となっています。
事故以外は事前にチェックしておけば未然に防げた可能性が高いものばかり。
そこでおすすめなのは、高速道路を走る前にガソリンスタンドに立ち寄ることです。
高速道路の主要な入口付近には、たいていガソリンスタンドがあります。給油はもちろんのこと、燃料が十分入っていたとしても、タイヤの空気圧チェックのために立ち寄ると良いでしょう。
ここで空気圧を確認して不足していたら空気を入れるようにすれば、少なくともエアー不足による「タイヤのたわみ」から発生する「スタンディングウェーブ現象」は予防できます。
もちろんタイヤの劣化や突起物を踏んでしまったことでパンクやバーストが起きる可能性もありますが、走行中に突然のパワーダウン、もしくはハンドルが取られるほどの振動、片側へ傾いてしまうなどの不具合が発生した場合はどう対処すべきなのでしょうか。
NEXCO各社やJAFでも、トラブル対処法の第一段階は「ハザードランプ点灯」をあげており、後続車に対して何らかのトラブルがあったことを知らせる必要があります。
その後、「(自走できる場合は)安全な場所まで移動、路肩に寄せて停車」を推奨しています。
次に行うのが「発炎筒や停止表示器材の設置」です。この場合、後続車からの追突による二次被害を防ぐため、50m以上手前に設置することが道路交通法でも規定されています。
後続車へトラブルによる停止車両の存在を知らせる準備が整ってから、乗員はガードレールなど防護柵の「外側」に避難することになりますが、ここが高速道路上でのトラブルでもっとも気を付けたいポイント。
近年、この避難時に事故(二次被害)が発生している事例が多いといい、たとえば追突や接触などの事故の場合、当事者同士での話し合いや通報している最中に後続車に撥ねられてしまうケースもあり、十分な注意が必要です。
また悪天候時は車内で救助を待ちたい気持ちもわかりますが、車内に留まることで追突の可能性があることを考慮すると、故障車の中で待つのはお勧めできません。
乗員はすべて下車し、防護柵の外側に避難するのが正解です。NEXCOのウェブサイトでも「絶対に本線や路肩を歩き回らないでください」と注意喚起しています。
そして、避難が確実に済んでから「通報」します。通報先は「110番」か高速道路上に設置された非常電話、もしくは「道路救急ダイヤル(#9910)」など。
現在は大多数の人がスマホを持つ時代ですから、高速道路上に設置された非常電話を探して二次災害の危険性を高めるより、安全な場所から電話するのがベストでしょう。
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高速道路上のトラブルの多くは、利用するドライバーが事前に確認すれば防げるケースも多いようです。
毎回チェックする必要はありませんが、久々に長距離走行する人は、燃料の残量とタイヤの状態を忘れずにチェックしましょう。