渋滞の激しい神奈川県の東名高速「大和トンネル」周辺で、渋滞対策のための工事が続けられています。いったいどういった工事で、どこまで進んでいるのでしょうか。
■いよいよ本格工事 作業は「4年半」の長丁場!?
渋滞の激しい神奈川県の東名高速「大和トンネル」周辺で、渋滞対策のための工事が続けられています。
いったいどういった工事で、どこまで進んでいるのでしょうか。
東名の大和トンネルといえば、上下線ともに大渋滞ポイントとして悪名が高く、朝夕を中心に慢性的な混雑が発生しています。
この周辺は一般道路にまともな主要軸が無いため、東名を使うしかなく、その平均交通量は1日14万台にのぼるといいます。
特に大和トンネル周辺が渋滞する背景としては、ゆるやかに上り勾配が始まっていく「サグ」という道路形状も関わっています。前のクルマがそこで惰性的にスピードを低下させるため、後から後から交通流が詰まってしまうというわけです。
そこで、大和トンネルでは、2021年に上下線とも「付加車線」を設置。「8車線化」が完了し、混雑はある程度緩和するかと思われました。
しかし蓋を開けて見ると、「混雑がその手前へズレただけ」という結果に。上り線(東京方面)では綾瀬スマートIC周辺が大渋滞で、下り線(静岡方面)は横浜町田IC周辺が大渋滞となっています。
国土交通省の「神奈川県渋滞ボトルネック検討ワーキンググループ」でも、大和トンネルだけではだめで、結局さらに8車線区間を拡張しなければならないという結論になりました。
現在、その「さらなる付加車線」工事がおこなわれているところです。具体的には、上下線とも大和トンネルの東京寄りで、上り線は1.5km、下り線は2.7km伸ばします。
すでに現場でも、道路敷地部を広げる作業が始まっています。ことし11月に入ると、その工事もいよいよ本格化していきます。
それは、高架橋区間で、橋桁を両側へ拡張する工事です。盛土や掘割とは違い、ここは構造物自体を増築する必要があるからです。
この橋桁拡幅工事は大掛かりで、2029年3月下旬までの「4年半」にわたって行われる大工事となります。
そのあいだ、片側3車線の通行は確保されますが、1車線あたりの幅を臨時で切り詰めるので、NEXCO中日本は「渋滞が発生する日数が、年間で約60日程度増える」と注意を呼びかけています。
なお、上下線それぞれ両側の計4か所を一気に同時施工するのではなく、「静岡方面の外側(16か月)」「両方面の内側(20か月)」「東京方面の外側(10か月)」と3セクションに分けて順番に施工される計画です。
まだまだ完成までは長い道のりである大和トンネル8車線化事業ですが、完成の暁には「交通情報の名所」脱却を図ることはできるのでしょうか。今後の動向に注目です。