2024年上半期の自動車業界に大きな話題を提供したクルマと言えば、トヨタ「ランドクルーザー」ではないでしょうか。2023年年冬に日本で復活した「70」、そして2024年春に新規投入された「250」が、日本のみならず世界を大いに盛り上げてくれました。ですが、“ランクル祭”はまだこれで終わったわけではありません。
■ミニランクルは「ランドクルーザーFJ」として…2025年登場?
トヨタは以前、従来の「ランドクルーザー」よりも小さなランクルシリーズのモデルが今後登場することを示唆しました。
現在、巷では「ランドクルーザーFJ」という名称で登場するのではないかと言われています。
では、現在世界中で聞かれる予想にはどのようなものがあるのでしょうか。
2024年上半期の自動車業界に大きな話題を提供したクルマと言えば、トヨタ「ランドクルーザー」ではないでしょうか。
2023年年冬に日本で復活した「70」、そして2024年春に新規投入された「250」が、日本のみならず世界を大いに盛り上げてくれました。
ですが、“ランクル祭”はまだこれで終わったわけではありません。
2023年8月に開催された250系、70系の発表会で公開された3つのモデルのシルエット画像は大きな話題となりました。
壇上に並べられた250系、70系の実車の後ろには、3輪小型モビリティ「ランドホッパー」のシルエット、さらには大きなボディサイズに見え、後にBEVの提案として披露された「ランドクルーザーSe」のシルエット。
それらと共に、全長をグッと抑えたコンパクトなモデルが映されていました。
このことで、ランドクルーザーが日本では久しく発売していないコンパクトなNEWモデルのデビューがあるのではないか、という憶測を呼ぶことになります。
当初このモデルは、2021年にトヨタの「バッテリーEV戦略に関する説明会」で披露された「コンパクトクルーザーEV」に端を発します。
その後、トヨタは「ランドホッパー」や「ランドスケープ」、「ランドクルーザーFJ」という商標を取得。
それらが新たなランドクルーザーの名称になるのではないかと言われてきましたが、後にランドホッパーは前述の3輪小型モビリティということが判明。
さらにランドスケープは、「クラウンクロスオーバー」の特別仕様車に採用されました。
そして残るのがランドクルーザーFJで、現在はこの名称がミニランクルに使わっるのではないかというのが定説になりつつあります。
新型ランドクルーザーの話題は、海外のファンの間でも持ちきりです。
最も盛り上がっているのがアメリカ。
アメリカは、ランドクルーザーが「FJ40」で始めて海外進出成功を収めた国であり、未だに多くのヨンマルファンがいます。
そういった土壌があることから、2006年には「ランドクルーザープラド120系」や「ハイラックスサーフ(現地名4ランナー)」とシャシを共用して造られた「FJクルーザー」がアメリカでデビュー。レトロな雰囲気がウケて、たちまち人気車種となります。
アメリカでランドクルーザーFJは、このFJクルーザーの後継車として受け取られているようで、日本以上に期待がかかっているようです。
最近では、AIソフトを使って作られた新型車の予想CGがネット上に公開されていますが、その多くがFJクルーザーを現代的にアレンジしたデザイン。
やはり彼の地の熱烈なファンが「FJ40」に対して、特別な想いを抱いていることがわかります。
しかし、こういった予想デザインが多く出回るには、別の理由もあります。
それは、フォード「ブロンコ」やジープ「ラングラー」といったライバル車たちが採用している“ネオクラシック”デザインに要因があるようです。
市場で成功を収めているライバルたちに対抗するために、トヨタもこうした懐古的なカタチを採用してくるだろうという予想につながっているのです。
■みんなが予想する「ミニランクル」とは? 日本だけじゃない他の国でも熱視線!?
一方でメディアはそれには懐疑的で、“NEWランクル”のデザインはすでにコンパクトクルーザーEVでほぼ完成しているという見方が大半を占めています。
たしかに発表会で映し出された新型ランドクルーザーのシルエットを凝視すると、コンパクトクルーザーEVに酷似した4ドアモデルであることが分かります。ウインドウの形状も、ほぼ同じです。
ちなみにアメリカでは、新型ランドクルーザーはガソリン車とハイブリッド車が用意されるという見方が大半を占めており、BEVの発売は数年先になると考えているメディア、ジャーナリストが多いようです。
さらにアメリカ以上に、ランドクルーザーの大きな市場となっているのがオーストラリアです。
この国でのNEWモデルへの期待感は、アメリカ以上と言えるかもしれません。
農業が盛んなオーストラリアは、ランドクルーザー40系を筆頭に、貴重な歴代ランドクルーザーが未だに現役で働いている国としてファンに知られています。
FJクルーザーの主要な市場としても知られるオーストラリアでは、250的なシルエットとマスクながら、丸形ヘッドライトの意匠も持っているのではないかという予想が主流になっています。
あるモータージャーナリストは「新型の70があの顔を採用した段階で、FJの伝統的な意匠を踏襲する方向性が決まったのではないだろうか」と語っています。
また別なメディアは、日本の発表会で壇上に上がったトヨタ取締役でチーフブランディングオフィサーであるサイモン・ハンフリーズ氏の言葉に注目。
サイモン・ハンフリーズ氏が「ランクルでの体験を向上させるだけでなく、モビリティの新しいアプローチを模索するかもしれない」という発言に注目し、ミニランクルはシリーズ初のBEVでデビューする可能性も示唆しています。
さらに、「海外ではランドクルーザーFJの名前で販売されるが、日本では違うモデル名になる」とか、「車格はカローラクロスとほぼ同等で、オーストラリアではスズキ『ジムニーXL(5ドア)』のライバルに位置づけられる」といった興味深い予想もあります。
いずれにせよ、アメリカやオーストラリア、そしてアジア各国では、2025年にミニランクルこと新型ランドクルーザーが発表されるだろうという見方が大半を占めています。
日本市場で考えてみると、ショートボディのランドクルーザーの投入は、2006年に初代70の販売が中止されて以来。
代を追うごとにサイズアップしていく傾向の中で、日本でも走らせやすいランクルの登場は、ユーザーの念願とも言えます。
新型モデルは、4ドア化することで単なるショートボディではない実用性も備えており、ファミリー層へのアピール度も十分。
さらにカーボンニュートラル時代にふさわしい電動パワーユニット、250や300、70でも発揮できないショートボディならではの卓越した悪路走破性。
そして他モデルにはないリーズナブルな価格設定が予想されることから、嫌が応でも世界中で期待感が高まっています。
発売は2025年というのが濃厚ですが、もしかすると年内に事前発表というカタチで新型ランドクルーザーのビッグニュースが飛び込んでくるかもしれません。