Infoseek 楽天

日産新型「サファリ」復活は!? パトロール全面刷新で期待高まるが…! ランクルライバル登場はどうなる?

くるまのニュース 2024年9月19日 7時10分

日産自動車の子会社の中東日産会社は2024年9月3日、新型「パトロール」を発表しました。かつて日本では「サファリ」として販売されていたモデルです。

■パトロールが7代目になったが…期待したいのは「サファリ復活」

 2024年9月3日に中東法人が新型「パトロール」を、米国法人が新型「アルマダ」を相次いで発表しました。
 
 この2台は、同じベースながらそれぞれの地域のニーズに合わせて展開されてきたモデルですが、日本に導入される可能性はあるのでしょうか。

 パトロール/アルマダは、かつて日本内では「サファリ」の名前で販売されていました。

 ですので、日本ではサファリの名で馴染みが深い人が多いのではないでしょうか。

 パトロールは、トヨタ「ランドクルーザー」や三菱「ジープ」同様に、戦後の警察予備隊(陸上自衛隊の前身)の制式車両を目指すべく開発されたクルマです。

 1951年に登場した初代「4W60型」の外観はまさにジープそのものでしたが、トライアルは三菱に敗れたため、その後民生用モデルとしての活路を模索しました。この点では、ランドクルーザーと出自がよく似ていると言えるでしょう。

 歴代パトロールの中でも名車中の名車と言えるのが、2代目「60型」です。

 ランドローバー「シリーズI」に似たボディデザインを採用し、世界で人気を博しました。

 サスペンションは前後リーフリジッドでしたが、コストのかかるテーパードリーフを採用。

 これにより、ランドクルーザー40系にはない快適な乗り心地を実現していました。

 3代目の160(260)系になると、そのデザインは一気に先進的なものとなり、TVドラマ「西部警察」の車両の1台として人気を博します。

 さらに4代目「Y60型」は、伝統的なスクエアフォルムにゴツさが加わり、「ランドクルーザー60系」とは異なるユーザー層を獲得。ヤンチャ系四駆として、バルブ期の日本を席巻しました。

 ところが、5代目「Y61型」は当時大人気となっていた「ランドクルーザー80系」にデザインを寄せてしまったことから、日本での人気が急落。結果、2007年には日本での販売を終了してしまいます。

 以後、パトロールは中東市場を中心に展開し、高級SUVである6代目「Y62型」も登場します。なおこのY62型から北米市場向けのアルマダとシャシが共通化されました。

 しかしながら、日本市場では2007年以降、販売網の蚊帳の外という状態が続いています。

 そんな状況下で、ついにニューモデルが登場しました。

 日産の子会社である中東日産は2024年9月3日、7代目「Y63型」を発表。

 一見すると、Y62型を踏襲したデザインにも見えますが、従来よりもスクエアなフォルムとなり、よりランドローバー「レンジローバー」に近づいた感があります。

 特にボンネットやフロントフェンダーの意匠は、同モデルを強く意識していることが垣間見えます。

 Y62型は優れたオフロード4WDでしたが、基本設計が2010年と古く、ユーザーやジャーナリストからは“時代遅れ”と評されていました。

 しかし、トヨタ「ランドクルーザー300」やレンジローバーなどを意識して、現代的な技術を一気に投入。

 かつての5.6L(一部4L)V8エンジンから、コストダウンや環境性能制御が容易な3.5LV6ツインターボエンジン(425ps/700Nm)に変更してきたのもトピックスのひとつです。

 また、6ドライブモード+4WDトランスファーモードインターロックシステムという駆動系の電子デバイスを採用したことで、ランドクルーザーに負けない悪路走破性を有することできました。

 ちなみに、北米市場向けの先代アルマーダは外観こそパトロールですが、そのオフロード性能は簡易的なものでした。

 しかし、今回のモデルチェンジによって、パトロールと大差のない装備が与えられているようです。

 サスペンションは、車高調整が可能な4輪エア式を採用。オフロードでは十分なロードクリアランスを確保しながらも、乗降時にはパッセンジャーに負担のない車高にコントロールできます。

 くわえて、エアコンは赤外線センサーを持ち、パッセンジャーの肌温度を検知することで、空調の温度、風量をバリアブルに調整するのも驚きです。

 ダッシュボード上に14.3インチモニター×2個が広がっていることもまた、Y62型が現代の価値観で作られているクルマであると理解させてくれます。

 内外装とも、非常に魅力的な新型パトロールですが、日本のユーザーはその大きさが気になるのではないでしょうか。

 全長5205mm×全幅2030mm×全高1955mm(日本の計測方法とは異なります)は、ランドクルーザー300をはるかに上回るサイズです。

 この大きさをユーザーがどう判断するかですが、最近は都市部でアメリカンフルサイズのクルマに乗る日本のユーザーも多いことから、そこまで販売に影響しないかもしれません。

 日本では現在、オフロード4WDの選択肢が極めて少ない状態になっているため、日本販売ともなれば日産ファンのみならず多くのユーザーの熱視線を集めそうです。

 ただしネックとなるのが、その価格。中東での最上級グレードの価格は約1500万円。

 ランドクルーザー300のGRスポーツでも770万円という価格が付けられていることを考えれば、約2倍もの高級車ということになります。

 ちなみに北米市場向けのアルマダは、現行型の最上級グレード「ミッドナイトエディション」が約760万円。

 アルマダと同等の装備内容と価格であれば、日本でも現実味を帯びてきます。

 長年、日本で「サファリ復活」を待ち望んでいるファンが多いという状況もあるので、そろそろ日産に英断を仰ぎたいところです。

この記事の関連ニュース